「薬価」の版間の差分
→日本の制度: https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17509/ |
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医療費に占める薬剤費比率は、1995年には[[日本|日]]>[[イタリア|伊]]>[[フランス|仏]]>[[イギリス|英]]>[[カナダ|加]]>[[ドイツ|独]]>[[アメリカ合衆国|米]]だったが、欧米諸国が増加傾向を示すのに対し、薬価を抑制した日本では低下したため、2003年には伊>仏>日>加>英>独>米となった。なお、前記のとおり日本の総医療費に占める薬剤費比率がアメリカやドイツ、イギリスなどに比べて高いことが、薬剤費抑制の論拠とされることがあるが、そもそも日本のGDPに占める総医療費の比率が先進諸外国に比べて低いことを考慮しなければならず、医療費に占める薬剤の比率だけを単純に比べることには注意が必要である。(例:日本の医療費GDP比×薬剤費比率(≒GDPに占める薬剤費比率)は米国のそれより低い) |
医療費に占める薬剤費比率は、1995年には[[日本|日]]>[[イタリア|伊]]>[[フランス|仏]]>[[イギリス|英]]>[[カナダ|加]]>[[ドイツ|独]]>[[アメリカ合衆国|米]]だったが、欧米諸国が増加傾向を示すのに対し、薬価を抑制した日本では低下したため、2003年には伊>仏>日>加>英>独>米となった。なお、前記のとおり日本の総医療費に占める薬剤費比率がアメリカやドイツ、イギリスなどに比べて高いことが、薬剤費抑制の論拠とされることがあるが、そもそも日本のGDPに占める総医療費の比率が先進諸外国に比べて低いことを考慮しなければならず、医療費に占める薬剤の比率だけを単純に比べることには注意が必要である。(例:日本の医療費GDP比×薬剤費比率(≒GDPに占める薬剤費比率)は米国のそれより低い) |
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{{誰範囲|date=2016年10月|かつて新薬の薬価は独米の2倍前後で英仏の3~4倍とも言われた}}。 |
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2003年、Patricia M. DanzonとMichael F. Furukawaは、医療ジャーナルのHealth Affairsにおいて、薬価は米国より日本の方が15~20%高いと報告している<ref>[http://content.healthaffairs.org/cgi/content/full/hlthaff.w3.521v1/DC1 Prices And Availability Of Pharmaceuticals: Evidence From Nine Countries] {{en icon}}</ref>。 |
2003年、Patricia M. DanzonとMichael F. Furukawaは、医療ジャーナルのHealth Affairsにおいて、薬価は米国より日本の方が15~20%高いと報告している<ref>[http://content.healthaffairs.org/cgi/content/full/hlthaff.w3.521v1/DC1 Prices And Availability Of Pharmaceuticals: Evidence From Nine Countries] {{en icon}}</ref>。 |
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一方、アメリカ商務省は、2003年における日本の標準単位価格は米国に比べて特許医薬品で33%、ジェネリック医薬品で90%であったとしている<ref>[http://www.trade.gov/td/health/drugpricingstudy.pdf Pharmaceutical Price Controls in OECD Countries]P.15,22</ref>。 |
一方、アメリカ商務省は、2003年における日本の標準単位価格は米国に比べて特許医薬品で33%、ジェネリック医薬品で90%であったとしている<ref>[http://www.trade.gov/td/health/drugpricingstudy.pdf Pharmaceutical Price Controls in OECD Countries]P.15,22</ref>。 |
2024年4月16日 (火) 04:05時点における版
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国家間の比較
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/92/Health_expenditure_by_function_in_OECD.svg/350px-Health_expenditure_by_function_in_OECD.svg.png)
各国の制度
●アイルランドの医療においては、政府が上限価格を決定する[10]。 ●アメリカ合衆国の医療においては、医薬品価格は市場原理に基づいて決まり、購入者によって取引価格は異なる[11]。 ●イギリスの医療においては、薬価はPharmaceutical Price Regulation Systemスキームに基づき、公示された許容利益率の範囲内で自由に決定できる[10][12]。 ●インドの医療においては、原薬販売価格、最終製剤価格、最終製剤価格利益率の3点が政府によって規制される[13] ●オランダの医療においては、政府が上限価格を決定する[10]。 ●カナダの医療においては、薬価は公定価格であり、製薬メーカーと連邦政府の交渉によって決まる。 ●フランスの医療においては、薬価は公定価格である[10]。 ●スウェーデンの医療においては、公費で払い戻される医薬品については価格規制がある[10]。日本の制度
薬価の算定方法
平成31年︵2019年︶4月1日以降、改正された﹁薬価算定の基準について﹂が適用される。 ●剤型区分が同じ類似薬[注釈 1]のあるもの︵新規性がある︶‥類似薬効比較方式︵Ⅰ︶ ●類似薬のあるもの︵新規性に乏しい[注釈 2]︶‥類似薬効比較方式︵Ⅱ︶ ●類似薬のないもの‥原価計算方式 の3方式で、異なる計算方法が用いられている。 類似薬効比較方式︵Ⅰ︶では次の補正加算がなされる。類似薬効比較方式︵Ⅱ︶には補正加算がない。 ●画期性加算[注釈 3]‥70 -120% ●有用性加算︵Ⅰ︶[注釈 4]‥35 -60% ●有用性加算︵Ⅱ︶[注釈 5]‥5 - 30% ●市場性加算︵Ⅰ︶[注釈 6]‥10 - 20% ●市場性加算︵Ⅱ︶[注釈 7]‥5% ●小児加算‥5 - 20% ●先駆け審査指定制度加算[注釈 8]‥10 - 20% 類似薬効比較方式︵Ⅱ︶では、下記のいずれか低い価格を採用する。 (一)過去10年間に収載された類似薬の1日薬価の平均価格 (二)過去6年間に収載された類似薬の最も安い1日薬価 上記1.と2.が類似薬効比較方式︵Ⅰ︶による算定額を超えた場合は、さらに、 (一)過去15年間に収載された類似薬の1日薬価の平均価格 (二)過去10年間に収載された類似薬の最も安い1日薬価 を比べて最も低い額とする。 原価計算方式については、以下を累積加算する。 ●原材料費 ●労務費 ●製造経費 ●製造︵輸入︶原価 ●販売費、研究費等 ●営業利益 ●流通経費 ●消費税 類似薬効比較方式︵ⅠとⅡ︶、原価計算方式のいずれも、日本国外に比較可能な薬が存在する場合は、外国平均価格調整[注釈 9]が行われる。さらに原価計算方式以外では、規格間調整、キット製品に対する加算(5%)、配合剤に対する調整といった各種の調整がなされる。 後発医薬品の薬価算定は、価格帯で算定する。 ●最高価格の30%を下回る算定額となる後発品を、1つの価格︵加重平均値︶として収載。統一名収載の低薬価品群。 ●最高価格の30%以上、50%を下回る算定額となる後発品を、1つの価格︵加重平均値︶として収載。準低薬価品群。 ●最高価格の50%以上の算定額となる後発品を、1つの価格︵加重平均値︶として収載。その他の後発品群。 新規の後発医薬品の薬価は先行品の50%、バイオシミラーは70%を基本に算定されるが、バイオセイム︵バイオ医薬品のオーソライズド・ジェネリック︶はバイオシミラーと同様、暫定的に70%で算定する[15]。 長期収載品の薬価算定は、最初の後発品の収載後10年が経過したもののうち、下記を除いたものが引き下げ対象となる。 (一)日本薬局方収載医薬品 (二)生物学的製剤、血液製剤 (三)漢方製剤、生薬 (四)希少疾病用医薬品のうち、希少疾病以外の疾病に対する効能を有しない医薬品 (五)低価格医薬品特例︵基礎的医薬品、不採算品再算定、最低薬価︶のいずれかに該当する医薬品 (六)後発品価格のうち最も低いものを下回る医薬品 対象となる長期収載品は、 ●後発品への置換えが進んでいるもの(G1) - 最初の後発品の収載後10年が経過した以降に後発品置換え率が80%以上になったもの ●後発品への置換えが困難なもの(G2) - G1以外 に分類され、G1の方がより引き下げ率が高い。ただしバイオ医薬品には適用されない。 さらに、G1, G2の規定で引き下げられなかったもの(C)についても、補完的引下げとして、後発品置換え率が以下の規定にあてはまる品目は引き下げられる。バイオ医薬品にも適用する。 (一)40%未満 - 2%引き下げ (二)40%以上 60%未満 - 1.75%引き下げ (三)60%以上 80%未満 - 1.5%引き下げ 以上の詳細については﹁薬価算定の基準について[16]﹂を参照のこと。金額
診療報酬と調剤報酬は、医療行為や医薬品・医療材料ごとに決められた点数の合計を、1点=10円で換算した金額、と決められている。病院などの医療機関や調剤薬局が、医療保険の保険者に請求する薬剤費の金額も、薬ごとに決められた薬価点数を合計し、それを1点=10円で換算したものとなる。 ただし実際に薬剤料として請求される点数の計算はやや複雑である。例えば、薬価1錠52.1円の薬と1錠19.6円の薬をそれぞれ1日3回毎食後1錠ずつ14日分が処方された場合(どちらの薬も合計42錠である)に薬価の単純な合計は3011.4円となるが、実際には内服薬1剤(1種類という意味ではない)1日分の215.1円を五捨五超入︵四捨五入ではない。また、15円以下は全て10円とする)して求まる22点に14日をかけて308点となる。これを金額に換算すると3080円である。一般に、薬価の単純な合計と、請求される薬剤料の点数が一致しないのは、このように一定の単位ごとに五捨五超入により算出した点数に日数や回数を掛け算して合計しているためである。改定の手続
診療報酬改定の手続は、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会︵中医協︶の議論を踏まえて、国の予算案を作成する際に診療報酬全体の平均改定率が決められる︵健康保険法第82条︶。その後、個々の診療報酬の点数について、中医協の答申を受けて、厚生労働大臣が決める。診療報酬は︵薬価等の改定と併せて︶ほぼ隔年で改定されている。経過措置医薬品
経過措置による使用期限とは、「 | 他の製薬企業に製造販売の承認取得者の地位が承継される、医療上の需要がなくなる等の理由により、製薬企業から薬価基準収載品目削除願の提出があった医薬品については、経過措置として、保険診療に用いることができる期限が定められており、これに該当する医薬品についてその期限を示したもの | 」 |
—厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/topics/2010/06/tp0630-4.htmlより) |
薬価差
医療機関や調剤薬局は、健康保険組合に対して、患者に使用した薬剤費を薬価基準どおりに請求する。しかし、医薬品の取引価格に関しては規制がないため、医薬品卸業者から薬価よりも低い金額で医薬品を仕入れることができ、この差額が薬価差益として薬漬け医療の原因とされた[17]。 1986年に23.0%だった薬価差︵率︶は、度重なる薬価切り下げで2004年には6.3%まで急減した。しかし、薬の維持・管理、期限切れ薬の処分などの費用なども考えると、薬価差益どころか薬価差損を生じていると主張する人もいる。ただ、薬の維持管理費用などが予め薬価に含まれているという明確な規定はなく、医療上、公定薬価と市場取引価格の差額についての見解には曖昧な部分が残ったままである。 薬価は2006年4月まで2年に1回の薬価改正で改定されてきた。厚生労働省は薬価の隔年改定を2007年度から毎年改定とする検討を始めた。しかし、医薬品業界の反発のみならず米国政府の強い反対にもあって導入を見送りつつある。しかし、隔年改定の間の﹁中間年﹂における改定で、収載薬価と市場実勢価格との乖離が大きい品目についての価格帯について議論が進んでいる[18]。 また、厚生労働省は販売前の販売予想を大幅に上回る売り上げを上げるようになった医薬品については、現行の薬価算定ルールに関係なく強制的に薬価を引き下げる﹁薬価再算定﹂を行なうことも視野に入れている。既に過去の薬価改定時に再算定が行われた医薬品もあり、2008年4月の改定においても高血圧治療薬として評価の高いアンジオテンシンII受容体拮抗薬が明確な根拠のないまま全体の改定率を大きく上回る薬価引き下げを受けた。これに対して﹁市場から有用性について高い評価を得てヒットした医薬品の価格を強制的に引き下げることは、製薬会社の研究開発意欲を減退させ、医療の進歩を後退させることにつながる﹂と製薬メーカーは猛反発している。 また、新規収載される後発品の薬価は先発品の6割の薬価としてきたが、2018年度から5割で算出︵10品目を超える内用薬は5割から4割︶し、先発品と後発品の薬価差を拡大することとなった[19]。 2008年現在、薬価は基本的にR2方式で改定される︵R=リーズナブルゾーン︶。 R2方式 現行薬価100円、納入価格90円︵本体価格。消費税込み94.5円︶の薬の場合。新薬価=(現行納入価格90円×消費税105%)+(調整幅として旧薬価×2%)=96.5円その他
TPPによる薬価上限撤廃
ジョセフ・スティグリッツはタイ政府に、環太平洋戦略的経済連携協定は危険であり、その協定に参加しないように助言をした[20]。協定の交渉内容が非公開であるうえに、製薬会社が自分たちの利益増加のために薬価上限撤廃を求め政治家にロビー活動を行っているためである。協定に参加すればタイ国内の後発医薬品産業にとって痛手となる。脚注
注釈
出典
![Paid subscription required](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b7/Lock-red.svg/9px-Lock-red.svg.png)
関連項目
外部リンク
- 医療保険が適用される医薬品について - 厚生労働省