赤道儀式架台
表示
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b3/Vixen_GP-DX_equatorial_mount.jpg/250px-Vixen_GP-DX_equatorial_mount.jpg)
赤道儀式架台︵Equatorial mount ︶は天体望遠鏡専用の架台である。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/19/Maksutov-Cassegrain_Intes_M703_mounted.jpg/200px-Maksutov-Cassegrain_Intes_M703_mounted.jpg)
ドイツ式赤道儀
概要
極軸=赤経軸と、それに直交した赤緯軸の2軸で構成された架台である[1]。 極軸は水平に対してある程度傾けられる[1]。この角度を観測地の緯度と等しい角度に傾け[1]、地球の自転軸と平行に据え付け[1]、極軸を星の運動と同速で回転させると星の日周運動を打ち消すことができ[1]、長時間の観測や写真撮影を楽にできる[1]。特に写真撮影は赤道儀なしではほとんど不可能に近い[1]。極軸の目盛りは1周24時間の目盛りが刻まれている場合が多い。時角目盛りと赤経目盛りがあり、北半球で望遠鏡を西に回した時に数字が増えるなら時角目盛り、減るなら赤経目盛りである。両方刻んだ製品もある[1]。極軸はウォームギヤで全周微動になっている[1]。 極軸の回転には微動ハンドルを手動で行う場合のほか、錘と振り子による運転時計や、モータードライブ[1]を使用する場合もある。両軸ともモーターを取り付け、コンピューターにより赤経赤緯を指定することにより目標天体を比較的簡単に導入できる装置も販売されている。 赤緯軸は極軸と直角である必要があるが、小型望遠鏡で誤差があってもそれほど大きな問題にはならない[1]。据え付け式の大型赤道儀では天の北極近辺の観測に支障が出る[1]。赤緯軸はウォームギヤで全周微動になっている場合とスプリング式で部分微動にとどまる製品がある[1]。 移動できる望遠鏡の場合、極軸には小型の極軸望遠鏡が組み込まれている場合がある[1]。観測前にこれで極軸を北半球の場合天の北極へ、南半球の場合には天の南極に向けて据え付ける必要がある[1]。種類
主に以下のような種類がある。![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/19/Maksutov-Cassegrain_Intes_M703_mounted.jpg/200px-Maksutov-Cassegrain_Intes_M703_mounted.jpg)
ドイツ式赤道儀架台
小型の望遠鏡で赤道儀式架台を使う場合ほとんどこれである。詳細は「ドイツ式赤道儀」を参照
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/91/Zeiss_di_Merate_-_incrocio_assi.jpg/200px-Zeiss_di_Merate_-_incrocio_assi.jpg)
イギリス式赤道儀架台
ドイツ式の極軸方向を延長して2点で極軸を支える方式。大型となり設置スペースを要するため小型望遠鏡では使われない[1]。日本の国立天文台岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡の架台はイギリス式である。![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Warszawskie_Obserwatorium_Po%C5%82udniowe_Teleskop.jpg/200px-Warszawskie_Obserwatorium_Po%C5%82udniowe_Teleskop.jpg)
フォーク式赤道儀架台
U字型のアームの間に鏡筒を取り付け、U字アームが極方向に回転する方式。鏡筒が短い望遠鏡に適する。最近の50cmクラス公共天文台のほとんどはフォーク式赤道儀である。また、一般的なフォーク式では鏡筒を左右両側で支持するが、片側のアームを省略し、1箇所で支持する﹁片持ちフォーク式﹂も存在し、軽量な鏡筒の望遠鏡に用いられることがある。詳細は「フォーク式赤道儀」を参照
ヨーク式赤道儀架台
フォーク式のU字を極方向に延長し極軸を2点で支持する形。大型となり設置スペースを要するため小型望遠鏡では使われない[1]。また極方向とその周辺が観測できない。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b4/HaleTelescope-MountPalomar.jpg/200px-HaleTelescope-MountPalomar.jpg)
馬蹄式赤道儀
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b4/HaleTelescope-MountPalomar.jpg/200px-HaleTelescope-MountPalomar.jpg)
馬蹄式赤道儀架台
ホースシュー式ともいう。パロマー天文台200インチ望遠鏡がこの形式である。フォーク式の変形であり鏡筒の自重による極軸のたわみを軽減している。フランス式赤道儀架台
ナスミス式望遠鏡、クーデ式望遠鏡など望遠鏡の耳軸に光線を導いて観測する形式の望遠鏡に使われる。関連項目
出典
参考文献
- 天文と気象別冊『天体望遠鏡のすべて'75年版』地人書館