関彝

関 彝︵かん い、生没年不詳︶は、中国の三国時代の貴族。蜀︵蜀漢︶の功臣関羽の孫。関興の子。関統の異母兄弟。

概要

父の関興の死後、異母兄・関統が爵位を継いだものの、関統も嗣子無くして死去したため、関羽の血筋は断絶するところだったが、皇帝劉禅は功臣の関羽の血筋を絶やさないようにするため、関彝にその後を継がせることにした。

263年の蜀漢滅亡時、魏の武将・龐会︵関羽に殺された龐徳の遺児︶によって、関羽の一族は皆殺しにされたといわれている︵﹃三国志﹄注、王隠﹃蜀記﹄︶。正史では関彝の死には触れられない。

三国志演義

小説『三国志演義』では蜀滅亡後に姜維が鍾会をそそのかし企てた反乱が発覚し、その混乱の中で殺害された蜀の人物の中に「漢寿亭侯関彝」の名がみえる。

その他

﹃新唐書﹄では、唐の宰相関播は関羽の子孫だと自称している。ただし関彝については触れられていないため、信憑性に乏しい。 また、一説には、関興の次男、関彝の庶子、関夷が龐会の手を逃れ故郷で匿われた。関夷の後は、関朗、関康之、関攀と血筋が続いたという。

2008年、香港の﹁大公報﹂が、﹁関氏家譜︵関羽の家系譜︶発見﹂のニュースを流しました。1988年に発見された﹁関氏家譜﹂を受け継いできたのは、同省鄭州市官劉家村の関一族。後継者は﹁関光周﹂氏で、彼の祖父の﹁関喜貴﹂氏の息子の嫁が、子供(関光周)のお尻を拭くため、家譜の一部をそれと知らずに数枚に破いて使った為、一部欠損してしまったとのこと。2000年現在、関新剛なる人物が家譜を受け継ぎ、関羽62世の子孫を自称している。

参考文献

• 『蜀記』
• 『新唐書』
• 関氏家譜
• 『関羽伝』今泉恂之介、2000年11月、新潮選書
• 「大公報」、2008年