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2012年6月19日 (火) 18:37時点における版
風レンズ︵かぜレンズ︶とは、風車に取り付けて、風力を効率よく獲得するための部品である。論文等ではつば付きディフューザ︵英‥brimmed diffuser︶と表現されることもある。風レンズを装着した風車を﹁風レンズ風車﹂または﹁つば付きディフューザ風車﹂と言う。九州大学の大屋裕二らによって開発された。
構造と原理
風レンズは、風の入口から出口に向かって広がる筒︵ディフューザ︶と、出口周辺のつばからなっている。入口は風の取り入れ口︵インレット︶としてやや広がっている。
ディフューザとつばによって、風レンズの後方に渦が発生し、圧力が低下する。このため入口付近の風速が増加する。
発電量は風速の3乗に比例するので、この効果によって2 - 5倍程度の効率上昇が見込めるとされている。
利点
風レンズ風車の利点としては以下のものが挙げられている[1][2]。
●風力の集中により、従来型の3倍程度の発電量を達成する。
●風見鶏効果により、自動的に風上を向く。
●ディフューザによって翼端渦が抑制されるので騒音が低減される。
●バードストライクが少ない。
●ブレード破損時の安全性が高い。
事例
風レンズ風車が九州大学構内や大阪市立科学館などに設置されている。
風レンズの製品化・販売のため、産学連携企業として2008年﹁株式会社ウィンドレンズ﹂︵筑紫野市︶が設立された。
環境省や福岡市により、2011年12月から博多湾にて浮体式海上風力発電実証試験[3]が行われている。
脚注
- ^ 風力発電: 風レンズ風車とは何かーその将来計画ー(PDF) - 九州大学応用力学研究所
- ^ 風レンズ風車特徴 - 株式会社ウィンドレンズ
- ^ 博多湾 浮体式海上風力発電実証試験 - 福岡市役所
参考資料
●大屋裕二、烏谷隆、桜井晃﹁つば付きディフューザー風車による風力発電の高出力化﹂﹃日本航空宇宙学会論文集﹄第50巻第587号、2002年12月5日、477-482頁、doi:10.2322/jjsass.50.477、NAID 10010393546。
●風力発電‥ 風レンズ風車とは何かーその将来計画ー︵PDF︶ 九州大学応用力学研究所 新エネルギー力学部門風工学分野 大屋裕二
外部リンク
- 九州大学応用力学研究所 新エネルギー力学部門 風工学分野
- 株式会社ウィンドレンズ
- 風レンズ風車発電に熱視線 「福岡発の新技術」実験中 - asahi.com、2012年1月16日