「DIPS (野球)」の版間の差分
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DIPSを簡潔に算出するような公式というのは存在せず、個々の項目を補正しながら算出した値を回帰的に積み重ねて答えにいたる方式であるが、簡易版として、[[カナダ]]の[[トム・タンゴ]]([[:en:Tom Tango|Tom Tango]])は、[[FIP]]を提唱している。 |
DIPSを簡潔に算出するような公式というのは存在せず、個々の項目を補正しながら算出した値を回帰的に積み重ねて答えにいたる方式であるが、簡易版として、[[カナダ]]の[[トム・タンゴ]]([[:en:Tom Tango|Tom Tango]])は、[[FIP]]を提唱している。 |
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*FIP={13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値 |
*'''FIP={13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値 |
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補正値:リーグ全体の[防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回] |
補正値:リーグ全体の[防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回]''' |
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係数は[[Linear Weights]]によって算出されている。<br> |
係数は[[Linear Weights]]によって算出されている。<br> |
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また投球回が多ければ投手ごとに[[Batted Ball #HR/FB|外野フライあたりの本塁打の割合]]はほぼ一定の範囲に収束するという性質により打たれた外野フライに一定の本塁打を見込んでFIPを計算するのがxFIPである。 |
また投球回が多ければ投手ごとに[[Batted Ball #HR/FB|外野フライあたりの本塁打の割合]]はほぼ一定の範囲に収束するという性質により打たれた外野フライに一定の本塁打を見込んでFIPを計算するのがxFIPである。 |
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*xFIP={13×0.11×外野フライ+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値 |
*'''xFIP={13×0.11×外野フライ+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値 |
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補正値:リーグ全体の[防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回] |
補正値:リーグ全体の[防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回]''' |
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なお、0.11部分を各リーグの本塁打÷外野フライに調整して算出する方法もある。 |
なお、0.11部分を各リーグの本塁打÷外野フライに調整して算出する方法もある。 |
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マクラッケンはその後の研究で、DIPS2.0と呼ばれる改良式を提示した。この式では、変化球投手の評価精度を高めるほかに、[[BABIP (野球)|BABIP]]︵ホームラン・三振以外での打率︶との相関性を追求している。しかし、公式成績に出ていない指標と小数の係数を多く含めているため、計算が煩雑になっている。
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マクラッケンはその後の研究で、DIPS2.0と呼ばれる改良式を提示した。この式では、変化球投手の評価精度を高めるほかに、[[BABIP (野球)|BABIP]]︵ホームラン・三振以外での打率︶との相関性を追求している。しかし、公式成績に出ていない指標と小数の係数を多く含めているため、計算が煩雑になっている。
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*DIPS2.0={フェアフライによるアウト数×(-0.041)+ゴロによるアウト数×0.05+ファウルフライによるアウト数×0.251+ライナーによるアウト数×0.224+与四球数×0.316+与死球数×0.43-奪三振数×0.12}÷投球回数×9 |
*'''DIPS2.0={フェアフライによるアウト数×(-0.041)+ゴロによるアウト数×0.05+ファウルフライによるアウト数×0.251+ライナーによるアウト数×0.224+与四球数×0.316+与死球数×0.43-奪三振数×0.12}÷投球回数×9''' |
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===tERA(tRA)=== |
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グラハム・マカリーは今まで排除されていたBIPについて、BIPをゴロやフライ等の打球別に分類して評価に加えたtRAを考案した。まずLWTSによって各打球の得点価値とアウト期待値を算出し、打球の発生数と掛け合わせる事で平均的な守備力のチームで投げた場合の仮想的な失点とアウト数を計算する。この2つを用いてtRAは以下の式で表される。 |
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*'''tRA=仮想的な失点÷(仮想的なアウト数×27)''' |
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''' =[Σ(各要素の得点価値×各要素の数)]÷[奪三振+Σ(各打球のアウト期待値×各打球の数)]÷27''' |
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tRAの計算に含まれる要素は奪三振、与四死球、被本塁打、打球(ゴロ、内野フライ、外野フライ、ライナー)である。<br>
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tRAに自責点と失点の比率を掛ければ防御率ベースのtERAとなる。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |