アセテート繊維
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アセテート繊維(アセテートせんい)は、アセチルセルロース(酢酸セルロース)から作られる繊維質の素材である。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8d/Cellulose_acetate.svg/300px-Cellulose_acetate.svg.png)
アセテート繊維は、木材パルプ(セルロース)を原料に、酢酸を反応させたアセチルセルロースより作られる繊維質である。付加するアセチル基の数で呼び名が異なり、2つ付いたものをジアセテート、3つが付いたものをトリアセテートと呼ぶ。
歴史[編集]
自然素材を原料に作られる半合成繊維として1920年代より生産がはじまっている。開発は1921年だが、ブリティッシュ・セラニーズ社が1924年に工業生産にこぎ付けたとされている。日本では1948年に生産が始まっている。
たばこのフィルターでは1931年にアメリカ合衆国で紙製フィルター付きのものが登場していたが、1950年代にこのアセテート繊維を使ったフィルターへと置き換わるようになっていった。日本ではたばこ向けのものは日本たばこ産業子会社の日本フィルター工業が1958年より製造するようになったようである。
特徴と性質[編集]
詳細は「アセチルセルロース」を参照
生産量ではジアセテートの方が合成が容易であることから多く生産されている。トリアセテートは特に耐熱性に優れるという特徴をもつが、ジアセテートに比べトリアセテートは吸湿性にやや難がある。たばこのフィルターには、主にジアセテートが用いられている。シンナーなどの有機溶剤に溶ける性質がある。
アセチルセルロースは若干の生分解性を持つが、一般にセルロース系プラスチックの物性は比較的安定しており、微生物に消費されやすく短期間で分解されることを前提とした澱粉系の生分解性プラスチックと異なる[1]。