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アマヅラ︵甘葛︶とは、甘味料のひとつである。砂糖が貴重な時代には水飴と並んで重宝された。
一般的にはブドウ科のツル性植物︵ツタ︵蔦︶など︶のことを指しているといわれる。一方で、アマチャヅルのことを指すという説もあり、どの植物かは明かではない。
縄文時代の貝塚の中から出土されており、この頃から甘味料として利用されたと思われる。安土桃山時代になり砂糖の輸入が活発になると都市部でアマヅラの需要はほぼなくなり、さらに、江戸時代に砂糖の大量供給が実現すると全国的にアマヅラを作るところは少なくなった。
清少納言は、﹃枕草子﹄でかき氷のうえにアマヅラをかけて食べる描写を書いている[1][2]。
芥川龍之介は、﹃芋粥﹄で﹁芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛の汁で煮た、粥の事を云ふ﹂と書いている。