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エネルギー準位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エネルギー準位(エネルギーじゅんい、: energy level)とは、系のエネルギーの測定値としてあり得る値、つまりその系のハミルトニアン固有値を並べたものである。

それぞれのエネルギー準位は、量子数項記号などで区別される

概要[編集]

エネルギー固有値[編集]


()()[1]

()

2退

[]


0調


[]

[]

[]







  , , , , 1eV 103eV


微細構造(分裂)[編集]

微細構造とは軌道状態のエネルギー準位に相対論的補正をすることにより、縮退したエネルギー準位が分裂すること。より具体的には、スピン軌道相互作用項とスピンに依存しない運動量補正項(質量-速度項)およびダーウィン項(Darwin項、主にs軌道に対して作用する)による補正からなる。典型的なエネルギーの大きさは eV である。

超微細構造(分裂)[編集]

磁気双極子モーメントと核磁気モーメントが相互作用することにより、超微細構造分裂が引き起こされる。典型的な大きさは eV 程度である。

電子と他の電子の静電相互作用[編集]

原子の周りに2つ以上の電子がある場合、電子-電子相互作用がエネルギー準位をもたらす。この相互作用は電子の波動関数の空間的重なりが小さい場合には無視されることが多い。

外部場によるエネルギー準位[編集]

ゼーマン効果[編集]





 

[]




g2





シュタルク効果[編集]

分子[編集]







 






[]





脚注[編集]

  1. ^ 清水明『新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―』サイエンス社、2004年。ISBN 4-7819-1062-9 

関連項目[編集]