トーブ
トーブ︵アラビア語: ثوب、発音は文語アラビア語でthawb︵thaubと同等の発音, サウブ︶・口語でthoub︵ソウブ︶もしくはthōb︵ソーブ︶[1]︶は、湾岸アラブ諸国で着用される民族衣装の総称。地域によっては﹁カンドーラ︵كندورة︶﹂や﹁ディシュダーシャ︵دشداشة︶﹂と呼ばれる。
概要[編集]
世界的に見ても民族衣装は地産地消が一般的であるが、トーブについては日本を筆頭に韓国、インドネシア、中国、パキスタンといった諸外国からの輸入生地で賄われている[2]。中東諸国で消費されるトーブ用高級生地のトップシェアを持つ東洋紡では、繊維業は生産に水が不可欠であるため、水不足が深刻な中東諸国では物理的に難しいとコメントしている[2]。イスラーム教徒女性︵ムスリマ︶が着用するアバヤも同様に輸入に頼っている[2]。 伝統的にはコットン製であったが、近年ではレーヨン、ポリエステル、それら混合などが人気となっている[3]。 中東諸国で消費されているトーブ用生地は、日本製が約40%から45%を占める[4]。中でも高級品に使われる生地のほぼ100%が日本製となっている[4]。トーブ高級品のシェアの70%を占めているのは東洋紡。シェアは以下、シキボウ、一村産業︵東レ子会社︶が続く[4]。汎用品として韓国産トーブやインドネシア産生地も日本製の半値ほどで販売されているが、現地では洗濯を繰り返しても白さがくすまない日本製の人気が高い[4]。シキボウの﹁Shikibo﹂をはじめ、﹁○○ボー﹂ブランドは高級生地の代名詞であり、ステータスとなっている[5]。それに伴い、﹁TOYOBO﹂ではなく﹁TOBOYO﹂、﹁Shikibo﹂ならぬ﹁Shekibo﹂といったコピー商品のようなものも出回っているが、品質は悪い[6]。 2017年時点の日本からのトーブ用生地の輸出量は2015年をピークとしており、原油価格の安値安定など中東諸国の景気低迷に伴い、2017年度は前年度比で減少傾向にある[3]。出典・脚注[編集]
(一)^ 元々は﹁服、衣服﹂を意味する名詞。シリア・レバノンなどの方言では子音の発音置き換わりによってtōb︵トーブ︶と発音されるがサウジアラビアといったアラビア半島地域の方言ではソーブと発音される。現地ではトーブではなくソーブと呼ばれているものの、日本ではアラビア半島の男性向けアラブ服であっても他地域方言の発音でもあるトーブと表記されるのが一般的である。
(二)^ abc“中東民族衣装も﹁日本製﹂が大人気、世界で信用される﹁大阪繊維﹂の品質…ここでも韓国が日本製を“コピー”、でも﹁品質違う﹂と相手にされず”. 産経ニュース. p. 2 (2013年12月19日). 2017年11月1日閲覧。
(三)^ ab“トーブ地輸出が減少/メーカーはどう対応する”. 繊維ニュース (2017年8月4日). 2017年11月1日閲覧。
(四)^ abcd“中東民族衣装も﹁日本製﹂が大人気、世界で信用される﹁大阪繊維﹂の品質…ここでも韓国が日本製を“コピー”、でも﹁品質違う﹂と相手にされず”. 産経ニュース. p. 1 (2013年12月19日). 2017年11月1日閲覧。
(五)^ “ごえんぼう”. 繊維ニュース (2017年7月6日). 2017年11月1日閲覧。
(六)^ “中東民族衣装も﹁日本製﹂が大人気、世界で信用される﹁大阪繊維﹂の品質…ここでも韓国が日本製を“コピー”、でも﹁品質違う﹂と相手にされず”. 産経ニュース. p. 3 (2013年12月19日). 2017年11月1日閲覧。
外部リンク[編集]
- こんなところにも東洋紡STC(トーブ編) - 東洋紡の紹介ページ