バイタルサイン
バイタルサイン︵vital signs︶は、生命兆候という意味の医学・医療用語である。
日本の医療従事者の間では、︵特に現場で︶バイタルサインのことを﹁バイタル﹂と略して呼ぶことがある。
概要[編集]
﹁vital signs バイタルサイン﹂は医学・医療用語であり、﹁vital バイタル﹂は﹁生きている﹂、﹁sign サイン﹂は﹁兆候﹂という意味で、つまり人間が生きている状態であるということを示す兆候︵=生命兆候︶を意味する[1]。 英語では複数形で﹁vital signs﹂とされるように、兆候はいくつもある。人間が生きている場合には次のような兆候がある[1]。測定[編集]
4つのバイタルサイン
﹁バイタルサインの測定﹂と言う場合は[1]、通常、それらの兆候の中から血圧・脈拍・呼吸速度・体温の測定を行っている[1]。そしてそれらを数値で表す。
第5、第6のバイタルサイン
測定する時には基本的には上記の4つの兆候が選ばれることが一般的なわけであるが、加えて他の兆候も併用されることがあり、それらは﹁fifth vital sign︵第5のバイタルサイン︶﹂や﹁sixth vital sign︵第6のバイタルサイン︶﹂などと呼ばれている。
第5、第6のバイタルサインとしては、瞳孔の反射を診ることも行われ、尿量を含める場合もある。最近では、パルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度︵SpO2︶の測定値も含めることがある。
救急医療の現場では、バイタルサインとして意識レベル︵意識スケール︶も重要視している。先ず疾病者等の意識をアセスメント︵確認︶して﹁意識レベル﹂の判定を行う。簡略に判定する場合は、アセスメントは3段階で行う[2]。STEP1 - まず﹁○○さん、わかりますか~?﹂などと声がけして、声に反応があるか観察する[2]。もし行き倒れた人や身元不明者などで名前が分からない場合は、名前抜きで﹁大丈夫ですか~?﹂などと適当に声がけして観察する[2]。このSTEP1で反応が無かったらSTEP2に進み、肩を手のひらでパタパタなどと叩きつつ﹁○○さーん、起きてくださーい!﹂と大きな声で叫んで反応を観察する︵ただ耳が遠いだけ、という人もいるため︶[2]。STEP2でも反応が無かったらSTEP3に進み、腕の皮膚などをつねり、反応を観察する[2]。
測定に用いる機器
基本の4つは、体温計・血圧計・腕時計の3つがあれば測定できる。脈拍は基本的には手指で測定できるが、あまりに弱い場合は聴診器が必要となる。
病院内でバイタルサインをモニタリング︵継続的に測定・記録︶する場合には、英語で﹁medical monitor﹂や﹁anaesthetic machine﹂と呼ばれ、日本語では﹁バイタルサインモニタ﹂﹁生体情報モニタ﹂﹁ベッドサイドモニタ﹂﹁臨床モニタ﹂などと呼ばれる装置が使われている。
ギャラリー[編集]
参考文献[編集]
- 『南山堂 医学大辞典』
脚注[編集]
関連項目[編集]
関連文献[編集]
- バイタルサインモニタ入門 久保田博南 秀潤社 ISBN 4879622222
- バイタルサイン収集論 久保田博南 真興交易(株)医書出版部 ISBN 4880037680
- バイタルサインからの臨床診断 改訂版 入江聰五郎 羊土社