ヒズ・ガール・フライデー
ヒズ・ガール・フライデー | |
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His Girl Friday | |
ポスター(1939) | |
監督 | ハワード・ホークス |
脚本 | チャールズ・レデラー |
原作 |
ベン・ヘクト チャールズ・マッカーサー 『フロント・ページ』 |
製作 | ハワード・ホークス |
出演者 |
ケーリー・グラント ロザリンド・ラッセル ラルフ・ベラミー |
音楽 |
シドニー・カトナー フェリックス・ミルズ |
撮影 | ジョセフ・ウォーカー |
編集 | ジーン・ハヴリック |
製作会社 | コロンビア ピクチャーズ |
配給 |
コロンビア映画 ヒズ・ガール・フライデー上映実行委員会 |
公開 |
1940年1月11日 1986年9月19日 |
上映時間 | 92分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
﹃ヒズ・ガール・フライデー﹄︵His Girl Friday︶は、1940年にアメリカ合衆国のハワード・ホークスが監督したコメディ映画。スピード感あふれる台詞を見せ場にする、いわゆる﹁スクリューボール・コメディ﹂の代表作の1つとされる[1]。ロザリンド・ラッセル演じる早口で威勢のいいヒルディは、ホークス的女性像の典型例とも言われている[2]。1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された[3]。
日本では﹃レディは敏腕記者﹄のタイトルでビデオ化されたことがある。
ストーリー[編集]
映画は﹁新聞記者が殺人以外なら何でもやった古い時代…﹂というクレジットで始まる。 ウォルター・バーンズ︵ケーリー・グラント︶は、ニューヨークの大手新聞社で名を馳せている名物編集長。探偵を使った贈賄や窃盗もいとわない強引な手法で次々にスクープ記事を放ってきた。妻のヒルディ・ジョンソン︵ロザリンド・ラッセル︶は彼の同僚として働く敏腕記者だったが、ウォルターの強引な性格と、常に締め切りに追われる新聞記者暮らしに愛想をつかして離婚・退社。穏やかな性格の保険業者ブルース・ボードウィン︵ラルフ・ベラミー︶との再婚を決め、ブルースの実家があるオルバニー︵ニューヨークの州都︶で主婦として静かな暮らしを始めようとしていた。 しかしヒルディがニューヨークを離れる前日、最後の挨拶のためウォルターを訪ねると、ウォルターは様々な策を弄してヒルディの出発を遅らせる。そのころニューヨーク中の記者たちが追っていた大事件、警官殺しの容疑者へのインタビュー記事をヒルディに書かせるためである。 ヒルディは二度と新聞記者はごめんだと言いながら、ウォルターの懇請に負けて留置所へ入り込み、容疑者アール・ウィリアムズ︵ジョン・カーレン︶への取材に成功する。アールは既に死刑を宣告され、刑の執行を翌朝に控えていた。しかしヒルディは取材するうちに、腐敗したニューヨーク市長が選挙の宣伝に利用するためアールに無実の罪をきせて死刑を強行しようとしていることに気づき、政界の暗部を暴く大スクープの予感に夢中になっていく。 その間、ウォルターはヒルディの戻りを待っている再婚相手のブルースを、でっちあげの軽罪で何度も拘留させ続ける。そしてヒルディと共に記者室で猛烈な取材を開始する。彼らの動きに気づいた市長と保安官︵ジーン・ロックハート︶は、2人を逮捕するため記者室へ乗り込んでくるが、逮捕の瞬間、メッセンジャー︵ビリー・ギルバート︶が連邦政府からの死刑執行停止命令を運んでくる。 諦めた市長と保安官が帰って行き、再婚相手のブルースもまたヒルディが結局記者の世界を捨てられないことを悟り、破談を申し出て去ってゆく。 記者室に取り残されたウォルターはヒルディに愛を告白し、ヒルディはウォルターへの愛を再確認して、2人は2度目の新婚旅行を約束して抱き合うのだった。評価[編集]
●ケーリー・グラントとロザリンド・ラッセルが早口でまくしたてる場面がほぼ全編を占めており、2人のロマンスそのものよりも、当意即妙な台詞のキャッチボールが映画の中心的な見せ場となっている[4]。こうした作品をコロンビア ピクチャーズは1934年の﹃或る夜の出来事﹄の大ヒット以来、繰り返し製作したため、早口の会話は﹁スクリューボール・コメディ﹂の重要な特徴と見做されるようになった[5]。 ●ヒルディは自我が強く弁が立ち、新聞社のような男社会でも毅然とキャリアを築いているが、最終的には男の望む場所に落ちつき、男の元へ戻ってくるキャラクターとして描かれている。ハワード・ホークスはこうした女性を自作にたびたび登場させたため、ヒルディのような女性を指して﹁ホークス的女性︵Hawksian Woman︶﹂と呼ばれるようになった[6]。 ●題名の﹁ヒズ・ガール・フライデー﹂は﹁彼のお気に入りの娘﹂といった意味で、デフォーの﹃ロビンソン・クルーソー﹄で忠実な現地人の下僕となった﹁フライデー﹂にちなんでいる[5]。 ●ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーの戯曲﹃フロント・ページ﹄をハワード・ホークスが脚色した作品で、同原作戯曲の映画化は1931年の﹃犯罪都市﹄に続き2度目である[7]。原作戯曲に対する変更点として、ヒルディを女性にし、ウォルターの元妻としている[8]。また1974年にはビリー・ワイルダー監督によって再び映画化されている︵﹃フロント・ページ﹄︶。キャスト[編集]
●ウォルター・バーンズ: ケーリー・グラント ●ヒルデガルド・“ヒルディ”・ジョンソン: ロザリンド・ラッセル ●ブルース・ボードウィン: ラルフ・ベラミー ●ボードウィン夫人: アルマ・クルーガー - ブルースの母親。 ●ピーター・B・ハートウェル保安官: ジーン・ロックハート ●フレッド市長: クレランス・コルブ ●“ダイアモンド・ルイ”・パルトソー: アブナー・ビーバーマン ●アール・ウィリアムス: ジョン・カーレン ●モリー・マロイ: ヘレン・マック - アールのガールフレンド。 ●マーフィー記者: ポーター・ホール ●ロイ・V・ベニシンガー記者: アーネスト・トルエックス ●エンディコット記者: クリフ・エドワーズ ●マッキュー記者: ロスコー・カーンズ ●ウィルソン記者: フランク・ジェンクス ●サンダース記者: レジス・トゥーメイ ●ダフィー: フランク・オース - ウォルターのコピーエディター。 ●ジョー・ペティボーン: ビリー・ギルバート ●ワーデン・クーリー: パット・ウェスト ●マックス・J・エッゲルホッファー博士: エドウィン・マクスウェル脚注[編集]
(一)^ “My girl Friday, and his, and yours”. Observations on film art. 2020年5月25日閲覧。
(二)^ King, Susan (2003年8月13日). “Not just pretty faces” (英語). Los Angeles Times. ISSN 0458-3035 2019年1月3日閲覧。
(三)^ “Complete National Film Registry Listing | Film Registry | National Film Preservation Board | Programs at the Library of Congress | Library of Congress”. Library of Congress, Washington, D.C. 20540 USA. 2020年5月25日閲覧。
(四)^ "overlapping dialogue; overlap dialogue." A/V A to Z: An Encyclopedic Dictionary of Media, Entertainment and Other Audiovisual Terms, Richard W. Kroon, McFarland, 1st edition, 2014.
(五)^ ab"screwball comedy." A/V A to Z: An Encyclopedic Dictionary of Media, Entertainment and Other Audiovisual Terms, Richard W. Kroon, McFarland, 1st edition, 2014.; Philip C. DiMare, "The Romantic Comedy," Movies in American History: An Encyclopedia, ABC-CLIO, 2011.
(六)^ "The Hawksian Woman," Donald, Ralph, and Karen MacDonald. Women in War Films : From Helpless Heroine to G.I. Jane, Rowman & Littlefield Publishers, 2014.
(七)^ 同原作の映画化作品には他に﹃フロント・ページ﹄︵1974年︶、﹃スイッチング・チャンネル﹄︵1988年︶がある。
(八)^ 同様の設定変更は﹃スイッチング・チャンネル﹄でも行なわれているが役名は異なる。
関連文献[編集]
- Bordwell, David. "My girl Friday, and his, and yours" (Observations on film art, Jan. 16, 2017)
- Goldin, Jay. "The Crazy World of His Girl Friday (1940)" (Bright Lights, Nov. 10, 2016)
- Roth, Marty. "Slap-Happiness: The Erotic Contract of ‘His Girl Friday’" (Screen, Volume 30, Issue 1-2, Winter-Spring 1989, Pages 160–175)
外部リンク[編集]
- "His Girl Friday - 1940" (Public Domain Movies)
- ヒズ・ガール・フライデー - allcinema
- ヒズ・ガール・フライデー - KINENOTE
- His Girl Friday - オールムービー(英語)
- His Girl Friday - IMDb(英語)
- His Girl Friday - TCM Movie Database(英語)
- His Girl Friday - Rotten Tomatoes(英語)
- His Girl Friday - インターネット・アーカイブ