ヒッポグリフ
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ヒッポグリフ︵hippogriff︶は、グリフォンと雌馬の間に生まれたという伝説の生物。ヒポグリフ、ヒポグリフォ︵hipogrifo︶とも。ヒッポ︵hippo︶は﹁馬﹂の意。
概要[編集]
身体の前半身が鷲、後半身が馬。非常に誇り高いとされる。グリフォンの習性を受け継いでいる部分があり、その翼で大空を駆けたり、馬肉や人肉を好んで食べるとされる。また、グリフォンよりも気性が荒くないため、乗馬として用いることも可能である。 グリフォンが馬を好んで食べるということから、ありえないもの︵天敵と被食者のハーフ︶の代名詞だったものが、そのまま想像上の生物の名前になってしまったという説もある。作品の中のヒッポグリフ[編集]
古代ローマの詩人であるウェルギリウスは﹃アエネーイス﹄の中で、不可能、そして不調和を表す比喩として﹁Iungeant aim grypes equis︵グリフォンと馬をかけあわせる︶﹂と表現した。ボルヘスの解説によれば、体長の違いや、架空と実在による不可能という比喩であった原典に、セルウィウスが﹁アエネーイス注解﹂で﹁グリフィンは馬を嫌う﹂という要素を補強したという。そして、これを元に16世紀のルドヴィーコ・アリオストがヒッポグリフの名を与えて叙事詩﹃狂えるオルランド﹄に登場させ、詳細に描写したことでその姿を鮮明にした[1]。また、﹃ハリー・ポッターシリーズ﹄では登場人物の乗騎として登場している。﹁ハリー・ポッターシリーズ﹂の作者J・K・ローリングは、ヒッポグリフに近づく時は視線を外してはならず、礼儀をもって悪意のないことを示す必要があることや、その生態など、既成の伝承を元に新たな特性を幾つか描写している[2]。脚注[編集]
参考文献[編集]
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス『幻獣辞典』 晶文社、1974年。 - 「ヒッポグリュプス」として。