ムー (雑誌)
ムー | |
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MU | |
ジャンル | その他趣味・専門誌 |
刊行頻度 | 月刊 |
発売国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
出版社 | ワン・パブリッシング |
編集部名 | ムー編集部 |
編集長 | 三上丈晴 |
雑誌名コード | 08533 |
刊行期間 | 1979年(1979年11月号) - |
ウェブサイト | https://web-mu.jp/ |
﹃ムー﹄ (MU) は、ワン・パブリッシングが発行する日本の月刊オカルト情報誌である。1979年︵昭和54年︶に学習研究社︵現・学研ホールディングス︶から創刊。学研のグループ再編に伴い、2009年10月から2015年9月までは学研パブリッシング、2020年6月まで学研プラス︵現・Gakken︶の発行となっていた。
キャッチコピーは﹁世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン﹂。
誌名は、一部の超古代文明論者から太平洋に在ったと主張されるムー大陸に由来する、としているが、﹁裏にはいろんな意味がある﹂とされる[1]。
概要[編集]
創刊当時は学研が刊行していた﹃コース﹄シリーズにおいてUFOなどのオカルト関連の記事に人気が集まったことから、このような話題に特化した雑誌の企画が持ち上がり、﹃コース﹄の編集者らが集まって中高生向けの雑誌としてスタートした[2]。 しかし雑誌のコンセプトが不明確なため売り上げが伸びず1年目で廃刊が俎上に上がったが、局長がもう1年様子を見ると判断したことを機に、オカルトマニア向けの内容へと特化したことで売り上げが安定し、雑誌が継続することとなった[2]。 同誌発刊後、他社から﹃トワイライトゾーン︵ワールドフォトプレス︶﹄や﹃ボーダーランド︵角川春樹事務所︶﹄など類似の雑誌も刊行されたがほどなく休刊となり、学研が﹃ムー﹄よりも低年齢層向けとして刊行した﹃マヤ﹄も長続きしなかった。2020年現在、﹃ムー﹄は定期刊行されるオカルト専門誌としては唯一継続している。 創刊号︵1979年11月号︶から創刊2周年記念号のNo.13︵1981年11月号︶迄は隔月刊だった。またそのNo.13から本の判型が創刊号からのA4サイズから現行のB5サイズに変更されている。 創刊以来熱狂的なファンの多い雑誌ではあるが、読者はそれを表面には出さないという[3]。 2020年7月、学研の他の雑誌と共に学研プラスと日本創発グループが共同出資したワン・パブリッシングに移管される。同時に公式サイトなどウェブのプラットフォームをnoteに移行した。内容[編集]
主な内容はUFOや異星人、超能力、UMA、怪奇現象、超古代文明やオーパーツ、超科学、陰謀論などのオカルト全般である。全般的にオカルトに肯定的な記述がされている。現在の内容は編集方針の転換によりオカルトに特化して以降のものである[2]。 当初は中高生向けだったことから迷走気味で、初期の一年間はアニメや小説、芸能ネタも掲載されており、総合誌的な雑誌であった[4]。 雑誌の紙面の内容は、3ヶ月前から決まっており、たとえ﹁生きてる恐竜の出現、UFOの襲来﹂等の世界的超常事件が起きても緊急差し替えはせず、予定通りに決まった内容で出版する方針であると編集者は語っている。このため特集が﹁人類滅亡の予言﹂であっても次号の予告は掲載される。例外としては、2009年8月の総選挙による政権交代の結果、愛読者である鳩山由紀夫が総理大臣に就任した時のみは例外的に、1ヶ月遅れで読者コーナーで特集が組まれた。 ﹃ムー﹄ 編集部では、同誌の愛読者や投稿者を ﹁ムー民︵むーみん︶﹂ と呼んでいる[5]。芸能人や著名人︵福山雅治、木村拓哉、釈由美子、デンジャラス、ラッシャー板前、OTAKU佐藤、小向美奈子、中沢健、鳩山由紀夫、上島竜兵等︶の愛読者も多く、また鳩山の妻である鳩山幸が2008年に9ヶ月ほどインタビューという形で記事を掲載していたこともある[5]。火の玉研究で知られる大槻義彦が愛読者であることでも知られる。また1980年代にはのちに﹁戦士症候群﹂と呼ばれる自称戦士、転生者による投稿で読者コーナーが埋め尽くされたことがある[6]。 オウム真理教の麻原彰晃が空中浮揚の写真を掲載したりヒヒイロカネについての記事を執筆した事があり、オウム幹部には上祐史浩をはじめ﹃ムー﹄や﹃トワイライトゾーン﹄経由で麻原を知った人物も多かった[7]。継続して広告を掲載するクライアントだったので好意的な取材記事も数回掲載され﹁提灯記事﹂と揶揄された事もある[8]。表紙[編集]
内容に関連したイラストが掲載されるが、必ず﹁人の目﹂が描かれるのが特徴[2]。人間は目を最初に見るという習性を利用し書店でも目に付きやすくするためであるが、男性では恐怖感があるため女性の目もしくは顔にしている[2]。 表紙に使われるイラストは創刊号から5号までは生頼範義によるものだったが、セクシーな女性のイラストだったことから子供が親に買ってもらいにくくなり、売り上げの不振に繋がったという意見もある[2]。 2年目からのリニューアルに合わせ、ヴォジテク・シュドマク[9]によるイラストが3号ほど採用された。現在まで続く﹁人の目﹂は1980年7月号に使われたヴォジテクのイラストが元である[2]。 雑誌デザインは﹃コース﹄でデザインを担当していた寺澤彰二が創刊号から担当している[2]。歴代編集長[編集]
●初代 森田静二[10] - 創刊時のスタッフ[2]。 ●2代目 大森崇[10] ●3代目 太田雅男[10] - 創刊時のスタッフ[2]。 ●4代目 土屋俊介[10] ●5代目 三上丈晴[11]主なライター、漫画家[編集]
●浅川嘉富 ●飛鳥昭雄 ●鬼塚五十一 ●並木伸一郎 ●鳩山幸 ●須藤真澄︵ひらはら平太名義︶ その他関連書籍[編集]
“ムー”は、学研グループによるオカルトや歴史秘話、心霊・怪談などをテーマとする書籍・映像コンテンツに冠する共通ブランド的に使われている。﹁ムーブックス﹂﹁ムー・スーパーミステリー・ブックス﹂などのシリーズ名で単行本が多数出版されている。2017年には﹁友達が異星人に誘拐されました﹂などの英語例文を紹介する﹃ムー公式 実践・超日常英会話﹄も刊行された。 また、2022年には同じ学研グループから発行されている旅行ガイドブック﹁地球の歩き方﹂とコラボレーションした﹁異世界の歩き方﹂が出版されている。関連番組[編集]
●超ムーの世界︵エンタメ〜テレ︶[12] ●月刊﹁ムーTV﹂特別創刊号 〜座敷わらし伝説を追跡せよ!〜︵フジテレビONE︶[13] ●月刊ムー連動﹁スマホでMU〜SEN﹂︵スマホでUSEN︶[14] ●ムーの基礎知識︵ワンダー・チャンネル︶[15] ●ニッポン放送 - 1999年7月から2001年3月にかけて、月曜未明の放送休止時に﹃ムー﹄の宣伝を兼ねたラジオドラマを放送していた。 ●マツコの知らない世界 - TBS系のバラエティ番組。2019年8月13日放送にて、ムーの世界を紹介した[16]。 ●ひかくてきファンです! - テレビ朝日系のバラエティ番組。2020年6月18日放送にて、ムーのファンである原田龍二、連載を持つ石原まこちんがムーの魅力を紹介した。登場する作品[編集]
●﹃ゴジラvsキングギドラ﹄ - 劇中、編集部が登場した。主人公の恋人が所属しているという設定。 ●世紀末オカルト学院 - 2010年7月に放送のテレビ東京系の深夜アニメ︵﹁アニメノチカラ﹂︶。同誌が公式監修をしている。 ●君の名は。 - 新海誠監督が元愛読者で、劇中にムーが登場する[17]。 ●天気の子 - 作中の主要人物、須賀圭介がフリーの編集者、ライターとして記事を寄稿しているという設定になっている。脚注・出典[編集]
(一)^ “連日大盛況の﹃創刊40周年記念 ムー展﹄三上編集長﹁ムーはひたむきに怪しく﹂”. 平成30-10-30閲覧。 “三上‥来年11月号が﹃ムー﹄40周年。ムーという名前は、太平洋にあったとされる失われたムー大陸から命名されたと公式ではなっています。裏にはいろんな意味があって、例えば﹁ム﹂ってカタカナは、鼻を横から見た象形文字なんです。いろいろ話すと朝になっちゃいますが。”
(二)^ abcdefghij“雑誌﹃ムー﹄の表紙にはなぜ﹁目﹂のイラストが入っているのか”. 2023年4月2日閲覧。
(三)^ “Amazon.co.jp: 超ムーの世界を観る | Prime Video”. www.amazon.co.jp. 2021年1月11日閲覧。
(四)^ ライブドア・ニュース2009年8月4日︻トレビアン︼ノンフィクション・ミステリー雑誌﹃ムー﹄の編集長を直撃取材! ﹁アメリカは兵器としてUFOを作ってる﹂
(五)^ ab百識王、フジテレビ系列、2012年6月20日放送
(六)^ 浅羽通明﹁オカルト雑誌を恐怖に震わせた謎の投稿少女たち!﹂﹃うわさの本﹄JICC出版局、1989年4月25日発行。
(七)^ 1.上祐総括‥オウム入信から現在まで ひかりの輪
(八)^ もっともオウムに好意的なのは本誌に限った話ではなく、地下鉄サリン事件以前においては、島田裕巳などオウム真理教について好意的な見解もあった。
(九)^ ポーランド出身、1966年よりフランス在住。デューン(砂の惑星)など、SFやファンタジー小説のイラストで国際的に知られる。en:Wojciech Siudmak fr:Wojtek Siudmak
(十)^ abcd“ロマサイUMA第11回”. 飛鳥昭雄公式サイト. 2018年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月12日閲覧。
(11)^ “︻月刊ムー編集長 三上丈晴 VSと学会重鎮 皆神龍太郎︼ 第1回﹁ムーの読者は、ムー読んでるって言わない﹂ ︵全3回︶”. サイエンスニュース. 2018年1月8日閲覧。
(12)^ “超ムーの世界R 雑誌﹁ムー﹂とのコラボが実現!”. エンタメ~テレHD. 2016年3月4日閲覧。
(13)^ “月刊﹁ムーTV﹂特別創刊号~座敷わらし伝説を追跡せよ!~”. フジテレビONE/TWO/NEXT(ワンツーネクスト). 2016年3月4日閲覧。
(14)^ “﹁スマホでUSEN﹂×﹃月刊ムー﹄コラボチャンネル開始!”. 株式会社 USEN. 2016年3月4日閲覧。
(15)^ “ムーの基礎知識”. 公式Twitter. 2016年3月4日閲覧。
(16)^ “マツコ、オカルト専門誌﹃ムー﹄は﹁治外法権を手に入れた﹂﹃マツコの知らない世界﹄8・13放送”. GetNavi web. (2019年8月12日) 2019年9月17日閲覧。
(17)^ “新海誠監督が明かす 映画﹁君の名は。﹂と﹁ムー﹂の秘密 | ムー PLUS”. 平成30-10-30閲覧。
参考文献[編集]
関連項目[編集]
- 南山宏 - 編集部 顧問
- 武田崇元 - 編集部 顧問
- ムー大陸 - 雑誌名の語源
- ムー UMA -未確認動物- - 同誌がハートと共同開発した食玩シリーズ
- 大槻義彦 - 反オカルト派の学者として知られるが、ムーの愛読者でもあり、バッシングの材料を常にムーに求めていた。
- 鳩山幸 - 『ミラクル対談』を連載。
- LA-MULANA - 配信攻略記事のクイズなどでコラボレーション。