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ヤクート料理︵ロシア語: Якутская кухня、ヤクート語‥Саха аһа︶は、ヤクーチア︵ロシア連邦サハ共和国︶の料理。ヤクートの食文化にモンゴル、カザフの遊牧民、隣接するブリヤート人の影響に加え、ロシアによる近代化の影響が見られる料理である[1][2]。
食材の特徴としては、肉類は馬肉、鹿肉、トナカイ肉等が用いられるが、豚肉、鶏肉は伝統的な食材には含まれない[3][1][4]。
狩猟によって得られた鳥・獣肉と魚は、一般的な食材として広く普及している[2][1][4]。
ベリー類が、ビタミン源として利用されている[5]。
19世紀には乳として、馬乳と牛乳が用いられていた[2]。
伝統的な料理としては、馬肉のパイ︵ОЙОГОС︶、茹でた馬肉、ブラッドソーセージ︵хаан︶、乳ベースの小麦粉等を使用した粥サラマート︵ロシア語版︶︵САЛАМАТ︶、クミスと呼ばれる馬乳酒、サワークリーム等が存在する[1][4]。ソラト︵СУОРАТまたはСОРАТ︶と呼ばれるヨーグルトの一種もまた、この地方で食されている[6][2]。
現代的な料理として、牛脂のレバー包み焼き︵ЧОХОЧУ︶、魚卵のパンケーキ︵ИСКЭХ АЛААДЬЫ︶、揚げ物、煮込み、バーベキュー、パン等が調理される[2]。冷凍された生魚の薄切りであるストロガニナ︵ストロガニーナ、строганина、馬肉も同様の形態で消費される[4]︶や[3]、代表的なデザートとして知られるベリーと生クリームからなるキョルチェフ︵Кюэрчэх︶もまたこの部類に属する[5][2]。
この他、ロシア連邦名誉商業労働者︵ロシア語版︶である料理家のイノケンティ・インノケンチエヴィチ・タルバホフ︵Иннокентий Иннокентьевич Тарбахов︶は、ストロガニナに加え、ステーキ、インディギルカ、若い馬肉をヤクート料理の例として上げている[2]。
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