ヴォーティシズム
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ヴォーティシズム (Vorticism) とは、キュビスム[1]や未来派の影響を受けて、1910年代半ば︵1913年または1914年︶にイギリスに興った、美術︵および詩︶に関する運動およびそのグループ。﹁渦巻き派︵渦巻派︶﹂とも呼ばれる。この運動は、マリネッティの未来派や、ロジャー・フライ・オメガ・ワークショップスの﹁ポスト印象主義に対する反撃であることが、次第に明らかになっていった[2]。
主たる参加者は以下のとおり︵ラストネームの五十音順︶。
●ローレンス・アトキンソン︵画家。Lawrence Atkinson, 1873年-1931年︶
●フレデリック・エッチェルズ︵画家。Frederick Etchells, 1886年-1973年︶
●ジェイコブ・エプスタイン︵彫刻家。Jacob Epstein, 1880年-1959年︶
●アンリ・ゴーディエ=ブルゼスカ︵彫刻家。Henri Gaudier-Brzeska, 1891年-1915年︶
●ヘレン・ソンダース︵画家。Helen Saunders, 1885年-1963年︶
●ジェシカ・ディスモア︵画家。Jessica Dismorr, 1885年-1939年︶
●クリストファー・ネビンソン︵画家。Christopher Richard Wynne Nevinson, 1889年-1946年︶
●エズラ・パウンド︵詩人。Ezra Weston Loomis Pound, 1885年-1972年︶
●カスバート・ハミルトン︵画家。Cuthbert Hamilton, 1885年-1959年︶
●デイヴィッド・ボンバーグ︵画家。David Bomberg, 1890年-1957年︶
●パーシー・ウインダム・ルイス︵画家。Percy Wyndham Lewis, 1882年-1957年︶
●ウィリアム・ロバーツ︵画家。William Roberts, 1895年-1980年︶
●エドワード・ワズワース︵画家。Edward Wadsworth, 1899年-1949年︶
中心メンバーは、ウインダム・ルイス、エズラ・パウンド、デイヴィッド・ボンバーグ、ウィリアム・ロバーツらである。
上記以外に、エズラ・パウンドに対する影響から、詩人・評論家・哲学者であるT・E・ヒューム︵Thomas Ernest Hulme, 1883年-1917年︶をメンバーに含める考え方もある。また、写真家アルヴィン・ラングダン・コバーン︵作品Vortographなど。Alvin Langdon Coburn, 1882年-1966年︶を含める考え方もある。
1914年に機関紙﹃BLAST﹄を刊行し、宣言を掲載した︵BLASTは、翌年の第2号まで刊行されている。なお、BLASTには、T・S・エリオット︵詩人、Thomas Stearns Eliot, 1888年-1965年︶もかかわっている︶。しかし、翌年の1915年にはグループは解散し、短命に終わった。
美術に関しては、﹁動き﹂を重視する点から、未来派の一分派と考えられることが多い一方で、幾何学的な形態や力強い線の強調︵ここに、キュビスム由来のプリミティズムを見ることも可能︶から、未来派とは一線を画すとする考え方もある。20世紀前半のイギリスにおいては、美術運動と呼べる数少ない美術グループだった。