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この項目では、演技における一人二役について説明しています。河本準一が出版した本については「一人二役 (小説)」をご覧ください。 |
一人二役︵ひとりふたやく︶とは、役において1人が2つの役を果たすこと。3役を兼ねれば1人3役、4役なら1人4役となる。
この役を現実での役職として見た場合はこれを兼職と呼ぶことができる。
役を演劇における配役として見た場合、舞台やドラマ・映画などの同一作品で1人の俳優が2つの役を演じることを指す。
実写では一人二役の登場人物が同時に登場することができないという制限があるが、ドラマ・映画においては合成︵光学合成︶を用いることでその問題がある程度解決される。
演劇等の場合[編集]
演劇、舞台、ドラマなどに於いては、同一人物が2つ︵あるいはそれ以上︶の役として登場するのをこう呼ぶ。その場合、役の上での人物の容姿は、その人物の容姿によって決まるから、同じ容姿の人物が2人以上出現することとなる。当然それは自然なものとならない。
人手が足りないなどのやむを得ない理由で、目立たない役を同一人物でこなす例もある。しかし、むしろ不自然であることをわきまえた上で、それを意図した配役であることもある。たとえば、バレエの﹃白鳥の湖﹄では、王子が恋した白鳥の王女オデットになりすまして、悪魔の娘オディールが王子を誘惑するが、この2人は往々にして一人二役で演じられる。容姿が酷似しているという設定にもとづくが、両者は性格的にも大きく異なっており、その舞踏もはっきりと違ったスタイルで振り付けされるので、それをどう演じ分けるかが見物となる。
アニメ・吹き替え等における例[編集]
アニメや人形劇、ゲームや外画の吹き替えなどにおいては実写の映像を必要としないため、1人の声優が複数のキャラクターを演じ分けることが珍しくない。
クレジットは作品・回にもよるが、最も主要なキャラクターのみが表記される場合もあれば、全ての役が表記されることもある。
トリックとしての例[編集]
推理小説・推理ドラマなどにおけるトリックとして見た場合、1人の人間が2人の人間を装うことを一人二役と呼ぶ場合もある。この分野ではよく取り上げられるトリックの1つである。横溝正史は、推理小説の三大トリックの1つに挙げている。
たとえば、真犯人が、架空の犯人像を作り上げる例、過去に関わりのある人物が別人物として現れる例などがある。犯人と被害者が同一人物という例もある。たとえばシャーロック・ホームズシリーズの﹃唇のねじれた男﹄では、失踪した人物が消えた現場に怪しい人物がいたという事件で、実は失踪したのではなく、変装して失踪に見せかけたものであることが示される。
登場人物の関係[編集]
演じている2人の登場人物の関係は様々である。兄弟︵特に双子︶・親子・先祖や子孫などといった肉親の場合も多いが、単なるそっくりさんということもある。ただし、話の展開上、そっくりさんであることが重要な場合もある。前述の白鳥の湖のように、変装しているというケースもある。
SFや特撮作品ではクローンやコピー体・擬態のほか、パラレルワールドといったケースも存在する。
関連項目[編集]