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仮足

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

pseudopodpseudopodium

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31indeterminate pseudopoddeterminate pseudopod

filopodiumlamellipodium


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RhoGTPase

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葉状仮足(lobopodium)
短くて指のように先端が丸まっており、通常は顆粒を含む内質の周りを透明な外質が取り囲むという二部構造をしている。種によって形は若干異なり、平らなもの、厚みのある指状のもの、糸状仮足に近い形のものもある。アメーボゾアでよくみられるものだが、それ以外にヘテロロボサと呼ばれる群でもみられる。細胞体が前方の仮足に向かって流動するようにして這うものだが、場合によっては基質面から持ち上げて運動することもある。
粘液状仮足(または菌状仮足
葉状仮足に似るが、より液体っぽい。細胞質の流動は一方向的だが非常に速く、ときどき方向が反転し、全体として脈打つような動きを示す。途中は管状になった硬い外質の内部を流れ、先端近くではそこから粘液があふれるように広がる。粘菌の変形体で見られる。基質表面を這うものである。
糸状仮足(filopodium)
基部は幅広くとも先に向かって細い糸状となり、先端が尖る。主に外質のみから成り、顆粒が見られることは少ない。リザリアのうち特にケルコゾアでよくみられる。基質表面に広がる。
網状仮足(reticulopodium、または根状仮足 rhizopodium)
糸状仮足と同様だが大きな顆粒を含み、個々の仮足が分岐・吻合して不規則で複雑な網を作っている。主に有孔虫でみられる。これも基質表面を這うもの。
軸足(axopod、または有軸仮足 axopodium)
細い針状で複雑な微小管の束をもち、細胞質におおわれている。偏光顕微鏡下で強い複屈折を示す軸があることから名付けられた。放散虫太陽虫を特徴づけるものだが、実際には極めて多様な系統で何度も獲得された形質である。運動への寄与は、液体中に突き出て漂いながら向きを変える程度のもので、這うのには用いられない。その一方、物理的接触に反応して急速に収縮するなど、捕食に役立っている。
葉状仮足 粘液状仮足 糸状仮足 網状仮足 有軸仮足
系統 アメーボゾアに多い リザリアに多い
分岐 ×
吻合 × 時々 時々
網状 × まれ ×
軸糸 × × ミクロフィラメント ミクロフィラメント 微小管
流動 一方向 逆転 対向 対向 対向
顆粒 かすか

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1980

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 ISBN 4-06-139404-51981

Bruce Alberts  4ISBN 4-315-51730-5 2004