北ヨーロッパ平野
北ヨーロッパ平野︵きたヨーロッパへいや、北ヨーロッパ平原︵きたヨーロッパへいげん︶、ドイツ語‥Norddeutsches Tiefland, ポーランド語‥Niż Środkowoeuropejski, 英語‥North European Plain) は中央ヨーロッパ北部に広がる平野。
中央ヨーロッパ高地やズデーテン山地・カルパティア山脈の北、および北海・バルト海の南を東西に伸びており、ベルギー、オランダ、ドイツ、デンマーク、ポーランドの各国にまたがる。東は東ヨーロッパ平原へとつながり、併せてヨーロッパ平原を構成する。ドイツ北部の平野は北ドイツ平野︵Norddeutsches Tiefland, 北ドイツ低地︶、ポーランドの平野はポーランド平野︵Niż Polski︶とも呼ばれる。
標高は海抜0メートルから海抜200メートルで、主に森林と農地として利用されるが、沼、湖、ヒース︵荒地︶なども散在する。
北の海岸沿いには砂丘、および干潟や潟湖が広がる。北海沿岸ではエムス川・ヴェーザー川・エルベ川が流入するワッデン海、バルト海沿岸ではオーデル川河口のシュチェチン湾、ヴィスワ川河口のヴィスワ湾︵ヴィストゥラ潟︶、ネマン川河口のクルシュ海︵クルシュ潟︶などが代表的なものである。平野の西部のライン川河口付近はネーデルラント︵低地地方︶と呼ばれてきた。
北ヨーロッパ平野には氷河地形が残る。最終氷期にはスカンジナビアから伸びる氷床の南端があり、氷河が削った後にできたモレーンや波型の谷、氷床の辺縁に沿って川が流れた跡である東西方向の幅の大きな谷︵ウーアシュトロームタール、Urstromtal︶が形成された。ドイツ北部やポーランドを流れる大河はこうした谷に沿って流れている。