古沢元
古沢 元︵ふるさわ げん、1907年12月11日 - 1946年5月3日) は、日本の小説家。本名は古沢 玉次郎︵ふるさわ たまじろう︶、別筆名・秦 巳三雄︵はた みさお︶
岩手県沢内村︵現・西和賀町︶出身。岩手県盛岡中学︵現・岩手県立盛岡第一高等学校︶卒業、旧制第二高等学校︵現・東北大学︶中退。﹁戦旗﹂編集部で秦巳三雄のペンネームで評論、翻訳を発表。その後古沢元のペンネームで﹁日暦﹂同人、武田麟太郎主宰の﹁人民文庫﹂同人となり小説、評論を発表した。1940年同人雑誌﹁麦﹂に発表した﹁紀文抄﹂︵きぶんしょう︶が、第12回直木賞候補作品となる。
第二高等学校では非合法政治活動に身を投じ、学業半ばで放校となったが、上京して新風を巻き起こしていたプロレタリア文学運動に加わり、﹁日暦﹂では高見順の﹁故旧忘れ得べき﹂に続いて﹁びしゃもんだて夜話﹂を三回にわたって連載、郷里の沢内村を題材にした小説を書いた。1946年抑留されたシベリアで病没。1998年に郷里の沢内村玉泉寺に古沢元・真喜夫婦作家の文学碑が建立され、2006年町村合併による沢内村の閉村事業として﹁古沢元作品集﹂が村教育委員会が刊行した。
著書[編集]
- 『びしゃもんだて夜話 遺稿集』(朝日書林1982年)
- 『沢内農民の興亡 評論集』(朝日書林1998年)
- 『古沢元作品集』(沢内村教育委員会2006年)