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﹃地獄のロックファイアー﹄(Rock and Roll Over)は1976年にキッスが発売した5枚目のスタジオ・アルバムである。
ボブ・エズリンがプロデュースを担当した前作﹃地獄の軍団﹄で新境地を開拓したキッスが、初期の3作品に通じるワイルドなロックンロールの原点に立ち返って制作した作品。出世作となった1975年の2枚組ライヴ盤﹃地獄の狂獣 キッス・ライヴ﹄を手がけたエディ・クレイマーを再度起用し、レコーディングは1976年9月、通常のスタジオではなくニューヨークの劇場スター・シアターを借り切って行われた。今作では︵前作でのニューヨーク・フィルハーモニックのような︶外部ミュージシャンは一切起用せず、メンバー4人のみですべてのレコーディングを行った。ビルボード・アルバム・チャート11位を記録。ダブル・プラチナ・ディスクを獲得した。
1977年のライヴ・アルバム第2弾﹃アライヴ2﹄に、本作収録曲10曲の半分に当たる5曲のライヴ・バージョンがピックアップされるなど、第1期メーク時代の代表曲を多く含む。また前作﹃地獄の軍団﹄からシングルカットされて大ヒットした﹁ベス﹂に続き、アコースティック・ギターによるバラード﹁ハード・ラック・ウーマン﹂でピーター・クリスがリードヴォーカルをとり、こちらもシングル・ヒットした。
翌1977年3月には待望の初来日公演が実現する。
オリジナルLPには、アルバムジャケットのイラストをそのまま使用したステッカーが付属していた。
収録曲[編集]
(一)いかすぜあの娘 - I Want You [3:04] 作詞/作曲‥ポール・スタンレー
静かで優しげなポールの弾き語りから激しく転調する。リードヴォーカルはポール。
最初のギターソロはポール、二回目のギターソロはエースが演奏している。
(二)燃える欲望 - Take Me [2:56] 作詞/作曲‥ポール・スタンレー、ショーン・デラニー
アライヴ2の選曲からは外れたが、1996年に発表されたライヴ・テイク集"You Wanted the Best You Got the Best"に、ライヴ・バージョンが収録された。リードヴォーカルはポール。
(三)悪魔のドクター・ラヴ - Calling Dr. Love [3:44] 作詞/作曲‥ジーン・シモンズ
アライヴ2にピックアップされたヘヴィ・ロックンロール。リードヴォーカルはジーン。ヘヴィメタル期、再結成メーク期を通じてライヴで演奏された、﹁雷神﹂とならぶジーンの代名詞。
(四)熱きレディズ・ルーム - Ladies Room [3:27] 作詞/作曲‥ジーン・シモンズ
こちらもアライヴ2にピックアップされた。リードヴォーカルはジーン。
(五)激烈!ベイビー・ドライヴァー - Baby Driver [3:40] 作詞/作曲‥ピーター・クリス、スタン・ペンリッジ
ピーター・クリスがリード・ヴォーカルをとったロック・ナンバー。
弱起から始まるのが特徴。
(六)愛の絶叫 - Love 'Em and Leave 'Em [3:46] 作詞/作曲‥ジーン・シモンズ
リードヴォーカルはジーン。
(七)情炎!ミスター・スピード - Mr. Speed [3:18] 作詞/作曲‥ポール・スタンレー、ショーン・デラニー
リードヴォーカルはポール。
(八)悪夢の出来事 - See You in Your Dreams [2:34] 作詞/作曲‥ジーン・シモンズ
後にメンバー4人が同時にソロ・アルバムを発表した際、ジーンが自分のアルバムでこの曲をセルフカヴァーした。
(九)ハード・ラック・ウーマン - Hard Luck Woman [3:34] 作詞/作曲‥ポール・スタンレー
ポールがロッド・スチュワートに歌ってもらおうと作った曲。リード・ヴォーカルはピーター。シングル・カットされ全米15位まで上昇。
(十)果てしなきロック・ファイヤー - Makin' Love [3:01] 作詞/作曲‥ポール・スタンレー、ショーン・デラニー
アライヴ2にピックアップされた。リードヴォーカルはポール。