多調
多調︵たちょう︶は、同じ楽曲の同じ時間に異なった調が同時に演奏された状態。またそのことを意図した作曲法。ポリトーナル︵polytonal︶とも呼ばれる︵これは形容詞形︶。旋法を用いる場合はポリモード︵polymode︶と呼ばれる。
この技法によってポリフォニー的音楽が更に立体的になったり、半音などで同時に同じ旋律などを奏することによって鋭さと共に﹁暈し﹂の手法を入れることができる利点がある。
複数の声部を持つピアノ音楽では歴史も古く、ショパンの初期のポロネーズ︵第13番︶にも既に認められる。さらに古い例では、モーツァルトの﹃音楽の冗談﹄がある。
ちなみに、異なる調性が2つの場合には特に﹁複調﹂という言葉が使われる。多調音楽といっても実際には複調であることが多く、3つ以上の調性が使われることは複調にくらべて少ない。