岡本松濱
(岡本松浜から転送)
岡本 松濱︵おかもと しょうひん、1879年12月17日 - 1939年8月16日︶は、大阪府出身の俳人。本名信。別号寒菊堂。上町︵現大阪市中央区︶生。皮革製造所社員の父の長男。
12歳のとき脊椎カリエスにかかり学業を断念、手術により右足が不自由となる。19歳の頃より句作、正岡子規の俳句革新運動に共鳴し、和歌山の銀行に勤めながら﹁ホトトギス﹂に投句。高浜虚子に認められたことで1904年に上京し、﹁ホトトギス﹂発行所に勤めた。渡辺水巴らと交流、﹁趣味﹂誌の選も担当し久保田万太郎、野村喜舟らを育てた。1910年、﹁ホトトギス﹂を辞して大阪へ戻り消息を絶つが、1926年﹁寒菊﹂を創刊し俳壇に復帰、1933年の廃刊まで主宰。下村槐太、阿部慧月、加藤かけい、大場白水郎らを育てた。代表句に﹁一人湯に行けば一人や秋の暮れ﹂など。しっとりとした人事句を得意とし明治の炭太祇と言われた。没後に﹃松濱句抄 白菊﹄︵1941年︶﹃定本 岡本松濱句文集﹄︵1990年︶が刊行されている。
参考文献[編集]
- 『現代俳句大事典』 三省堂、2005年
- 20世紀人名事典 2015年3月18日閲