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指定弁護士︵していべんごし︶とは、付審判制度︵準起訴手続︶および検察審査会強制起訴制度によって、検察官の職務を行う弁護士のこと。
検察審査会による強制起訴制度を規定している検察審査会法や検察審査会法施行令においては﹁指定弁護士﹂という文言があるが、刑事訴訟法においては﹁指定を受けた弁護士﹂や﹁検察官の職務を行う弁護士﹂という文言を使用している。
一方、検察官の職務を行う弁護士に給すべき手当の額を定める政令においては、﹁刑事訴訟法第二百六十八条第一項又は検察審査会法第四十一条の九第一項若しくは第四十一条の十一第二項の指定を受けた弁護士﹂を﹁指定弁護士﹂と定義している。
指定弁護士は裁判所によって指定されると規定されているが、最高裁判所と日本弁護士連合会による﹁当該事件が係属する地方裁判所が、その管轄区域内に所在する弁護士会に推薦を依頼する﹂との取り決めにより、地域の弁護士会が推薦した弁護士が指定される慣例となっている[1]。
指定弁護士がその職務を行うに適さないと認める時又はその他特別の事情がある時は裁判所は指定を取り消すことができる。指定を取り消した後で裁判所から再度指定弁護士を指定することができる。
裁判所の付審判決定、および、検察審査会の起訴議決に伴う公訴の維持を行うため、検察官の職務を行う。ただし、検察事務官及び司法警察職員に対する捜査の指揮は、検察官に嘱託して行わなければならない。
なお、公訴棄却をされても公訴提起の回数の制限はないため、法律上は繰り返し起訴ができる[2]。
公訴を維持すべき事件の審級ごとの手当は50万円以上315万円以下︵ただし、上訴審及びその後の審級については、19万円以上315万円以下︶の範囲内で、裁判所が定める︵検察官の職務を行う弁護士に給すべき手当の額を定める政令1条本文︶。検察官の職務として出張した場合は、国家公務員旅費法に基づき、一号の検事︵検事の項参照︶に給すべき旅費の額に等しい金額が、上記手当に加算される︵検察官の職務を行う弁護士に給すべき手当の額を定める政令2条︶。