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﹃暁のビザンティラ﹄︵あかつきのビザンティラ︶は、菅浩江によるファンタジー風SF小説である。
﹃暁のビザンティラ﹄上下巻
●著者: 菅浩江
●カバー&挿絵: 斉藤友子
●発行日・出版社:︵上巻︶1993年10月22日 /︵下巻︶1993年11月2日 株式会社アスペクト
●定価:︵上巻︶505円 + 税/︵下巻︶524円 + 税
あらすじ[編集]
二つの月が巡る世界で人々は、人間と心通わす能力を得た動物︿メブ﹀と幸せな共生関係を築いていた。
兄が罪を犯したため、成人の証である︿メブ﹀を得られないことが決まった少女カイチスは、︿メブ﹀を育てる荘園を目指し、旅を始める。生まれた村から初めて出た少女は、女衒に騙され娼館へ売られそうになったところを、通りすがりの女武人に助けられる。彼女の名はビザンティラ。一目でビザンティラに惹かれたカイチスは、彼女と旅するうちに、︿メブ﹀と世界に関する衝撃の事実を知ることになる……
主な登場人物[編集]
ビザンティラ
主人公。強く美しい女武人。女性にしては大柄で男言葉を使い、︿メブ﹀ではない黄金の鳥ディエルを連れている。荘園や︿メブ﹀についての秘密を知っており、ルカス皇帝の手下に追われている。
カイチス
小鳥の村で生まれ育った平凡な少女。兄が︿メブ﹀との共生に疑問を持つと言う﹁罪﹂を犯したため、︿メブ﹀を得られず自分の居場所を失ってしまう。恩人であるビザンティラに対し、無自覚ながら恋愛感情を抱いている。
バルギアード
ルカス皇帝の部下で、ビザンティラを追う美青年。見た目は優美な貴公子だが冷酷な人物。
ベリア・サ・イルテ・コールマ
ルカス皇帝の手からビザンティラを救った女性で、︿地母神﹀または︿天つ乙女﹀と呼ばれる古き一族と人間の混血。優れた薬師でもある。
ムスタ、エオタ、ルクタ・ア・ダント・コールマ
純血の︿天つ乙女﹀、最後の三姉妹。︿天つ乙女﹀の存在を闇に葬った皇帝の迫害を逃れるために隠れ住んでいたが、長姉ムスタがルカス皇帝に囚われたため、ムスタを助けるべくビザンティラに助力を仰ぐ。
ルカス皇帝
先代皇帝と共に︿メブ﹀制度を生み出した現皇帝。