柿沼敏江
柿沼 敏江︵かきぬま としえ、1953年? - ︶は、日本の音楽学者、翻訳家。京都市立芸術大学名誉教授︵西洋音楽史︶[1][2]。西洋音楽史専攻。専門はアメリカ音楽、現代音楽。
経歴[編集]
静岡県生まれ。国立音楽大学音楽学部楽理科卒業後、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。お茶の水女子大学大学院在学中に、現代音楽祭﹁パン・ムジーク・フェスティヴァル﹂の音楽評論のコンクール﹁アドホック・クリティック﹂で、第1位﹁音楽之友社賞﹂を受賞。 その後、カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程に進学、理論実験︵Theoretical Experimental︶コースを専攻。1989年、ハリー・パーチの創作楽器に関する研究で博士号︵音楽学Ph.D.︶を取得。 帰国後は、明治学院大学などで教鞭をとるとともに、﹃音楽芸術﹄、﹃読売新聞﹄、﹃フィルハーモニー﹄、﹃アサヒ・イヴニング・ニュース﹄、﹃グラモフォン・ジャパン﹄などに執筆。アメリカの雑誌﹃EAR﹄や﹃ハイ・パフォーマンス﹄などにも寄稿した。多様化する現代の音楽状況について研究を続けている。京都市立芸術大学音楽学部教授をへて、2019年定年となり、名誉教授。 2011年、ミュージック・ペン・クラブ賞をアレックス・ロス著﹃20世紀を語る音楽﹄︵みすず書房︶の翻訳で受賞。2020年11月10日には、第30回吉田秀和賞を﹃︿無調﹀の誕生 ドミナントなき時代の音楽のゆくえ﹄で受賞した。著書[編集]
主要訳書[編集]
- 『ルー・ハリソンのワールド・ミュージック入門』(ルー・ハリソン、共訳、ジェスク音楽文化振興会) 1993
- 『サイレンス』(ジョン・ケージ、水声社) 1996
- 『アメリカン・ニュー・ミュージック 実験音楽、ミニマル・ミュージックからジャズ・アヴァンギャルドまで』(エドワード・ストリックランド、米田栄共訳、勁草書房) 1998
- 『カルチュラル・アイデンティティの諸問題』(林完枝, 松畑強共著、スチュアート ホール, ポール ドゥ・ゲイ共編、宇波彰, 佐復秀樹共訳、大村書店) 2000
- 『サウンディング・スペース 9つの音響空間』(畠中実, 柴俊一編、アルフレッド・バーンバウム共訳、NTT出版) 2003
- 『アメリカン・ルーツ・ミュージックの探求』(アラン・ローマックス、みすず書房、アラン・ローマックス選集) 2007
- 『20世紀を語る音楽』(アレックス・ロス、みすず書房) 2010
- 『これを聴け』(アレックス・ロス、みすず書房) 2015
- 『ジョン・ケージ伝 新たな挑戦の軌跡』(ケネス・シルヴァーマン、論創社) 2015