水素イオン
水素イオン︵hydrogen ion︶という用語は、国際純正・応用化学連合によって、水素及びその同位体の全てのイオンを表す一般名として勧告されている[1]。イオンの電荷によって、陽イオンと陰イオンの2つの異なる分類に分けることができる。
陽イオン[編集]
詳細は「ヒドロン」を参照
水素が電子を失うと、以下の陽イオンが形成されうる。
●ヒドロン - 全ての水素同位体の陽イオン(H+)の一般名
●プロトン - 1H+︵軽水素原子の陽イオンはすなわち露出された陽子︶
●デューテロン - 2H+, D+
●トリトン - 3H+, T+
さらに、上記の陽イオンと水の反応によって形成されるイオンや水和物も水素イオンと呼ばれる。
●ヒドロニウム - H3O+
●ズンデルカチオン - H5O2+︵ゲオルグ・ズンデルに由来︶
●アイゲンカチオン - H9O4+︵マンフレート・アイゲンに由来︶
ズンデルカチオンとアイゲンカチオンは、グロッタス機構に従うプロトンの拡散において重要な役割を果たしている。
﹁水素イオン﹂というと普通は﹁ヒドロン﹂を指す。
陰イオン[編集]
水素が追加で電子を獲得すると、水素化物イオンが形成される。- ヒドリド - 全ての水素同位体の陰イオン(H-)の一般名
- プロチド - 1H−
- デューテリド - 2H−, D −
- トリチド - 3H−, T −
関連項目[編集]
出典[編集]
- ^ Compendium of Chemical Terminology, 2nd edition McNaught, A.D. and Wilkinson, A. Blackwell Science, 1997 [ISBN 0-86542-684-8], also online