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代将

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
海軍代将から転送)
マシュー・ペリー米海軍代将

代将(だいしょう、: Commandeur: Commodore)は、海軍階級又は職位の一つ。

本来は将官の階級にない艦長或は大佐[注釈 1]艦隊戦隊等の司令官の任に当たる場合に、その期間のみ与えられる職位を指したが、国によっては階級となっている。また、陸軍や空軍のOF-6相当官で佐官として扱われる場合は代将、将官として扱われる場合は准将と使い分けするケースも見られる。

沿革[編集]

中世ヨーロッパでは複数の艦船で艦隊を編成する際、その指揮の任に当たる者にアドミラル(: Admiral: Amiral: Admiraal)の称号を与えていた。アドミラルは等級分けされており、それらを総称して、例えばイギリスでは“Flag officer”(海軍将官)と呼ばれるようになった。やがて、将官が身分化して昇任に定員や年功等の理由による制約が出来るようになると、将官の資格を有する者がいない場合、最先任の艦長が艦長の身分のまま複数の艦の指揮をするケースが生じるようになった。そして、それらの者に“代将”の称号が与えられるようになった。代将の制度を最初に設けたのは、第一次英蘭戦争の頃のオランダ海軍であるとされている。

海軍の軍人にも階級が整備されるようになった後も、「司令官たる大佐」を「艦長たる大佐」よりも上位に位置づける必要があり、将官ではないが「司令官たる大佐」に将官の代理として代将の職位或は階級が設けられている。特にアメリカ合衆国の場合は、19世紀まで海軍将官に任命するには議会の議決が必要となるという手続の煩雑さがあったために、艦隊の指揮官を代将に任じる場合が多かった。

各国の代将[編集]


CommodoreNATOOF-6 (Brigadier) (Air Commodore) [ 2]

 ()#[ 3][1]

211089111213431

11211
1退2

19使[2]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 両方とも英語では“Captain”だが、Captainが海軍将校の階級となったのは18世紀半ばであり、それまではポストシップの艦長を指す役職名であった。
  2. ^ 正確には職制上の地位であって階級ではない。それ故最下級の将官たる准将と区別するため、陸軍代将、空軍代将という表現をするケースもある。
  3. ^ 実際には少将を陸軍および空軍の准将に対応するものとしている。

出典[編集]



(一)^ ARCHIVE OF THE COLORS1992OF-6

(二)^  5 NF 2015223

参考資料[編集]

  • 小林幸雄 『図説イングランド海軍の歴史』 原書房、2007年1月。ISBN 978-4-562-04048-3

関連項目[編集]