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片 恵英︵Pyun Hye Young、ピョン・ヘヨン、1972年 - ︶は韓国の小説家。ソウル特別市出身。[1][2][3]
1972年、ソウル特別市に生まれる。2000年﹃ソウル新聞﹄新春文芸に短編﹃이슬털기(露払い)﹄が当選し、文壇デビューした。片の小説は、猟奇的で残酷な描写、不吉で転覆的な想像力で﹁不快の美学﹂と言われるほど、読者を不快にさせる特徴がある。デビュー作である﹃이슬털기(露払い)﹄で主人公は自分を妊娠させた男がその事実を避けることに腹立ち、死んでしまえと叫ぶが、この呪いは直ぐ実現してしまう。片の初の小説集﹃아오이가든(あおいガーデン)﹄は、残酷なイメージで一杯である。裂かれた猫の腹の赤い血や内臓を露骨に描写したり、悪臭漂う巨大ゴミ処理場や、疫病が流行る団地がある都市を描いている。そのような空間で人間は、マンホールに隠れて生活したり、実験室の解剖台に置かれたり、うじがわく死体になって捨てられたりする。二番目の小説集﹃사육장 쪽으로(飼育場の方に)﹄では、残酷な描写は減ったが、暗くてグロテスクな雰囲気は変わっていない。片の小説の恐怖は、益々日常に近いものになっているという点で怖さを増している。
●1972年、ソウル特別市に生まれる。[1]
●2007年、第5回誇らしい文化人賞受賞。
●2007年、第40回韓国日報文学賞受賞。
●2009年、第10回李孝石文学賞受賞。
●2010年、今日の若い芸術家賞文学部門。
●2011年、第42回東仁文学賞受賞。
●2014年、第38回李箱文学賞大賞受賞。
●2017年、シャーリイ・ジャクスン賞︵アメリカの文学賞︶を韓国の小説家で初の長編部門受賞作。
邦訳作品[編集]
●﹃アオイガーデン﹄きむふな訳、クオン、新しい韓国の文学、2017年6月
●﹃モンスーン﹄姜信子訳、白水社、エクス・リブリス、2019年8月
●﹃ホール﹄ カン・バンファ訳、書肆侃侃房、韓国女性文学シリーズ、2018年10月
代表作品[編集]
●2005年、아오이가든(あおいガーデン) [1]
●2007年、사육장 쪽으로(飼育場の方に)
●2010年、재와 빨강(灰と赤)
●2011年、저녁의 구애(夕方の求愛)
●2012年、서쪽 숲에 갔다(西の森に行った)
●2013年、밤이 지나간다(夜が過ぎていく)
●2014年、몬순(モンスーン)