田中一之
田中 一之 (たなか かずゆき) | |
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生誕 | 1955年8月18日(68歳) |
研究分野 | 数学基礎論、逆数学、不完全性定理 |
研究機関 | 東北大学大学院理学研究科数学専攻 |
出身校 |
カリフォルニア大学バークレー校(Ph.D) 東京工業大学(理学修士) |
博士課程 指導教員 | レオ・ハーリントン |
博士課程 指導学生 | 横山啓太 |
プロジェクト:人物伝 |
田中 一之︵たなか かずゆき、1955年8月18日[1] - ︶は、日本の数学者、論理学者。東北大学数理科学連携研究センター教授。東北大学大学院理学研究科数学専攻名誉教授。専門は数学基礎論。とくに逆数学[2][3]や不完全性定理の研究で知られる。
師はパリス=ハーリントンの定理などで有名なレオ・ハーリントン[4]。また、アラン・チューリングのただ1人の弟子で計算可能性理論の開拓者ロビン・ギャンディ[5]や逆数学プログラムの推進者スティーブン・G・シンプソン[6]の下でも研究した。弟子には横山啓太(東北大学教授)がいる。
数学基礎論関係の入門書や専門書を多数著し、﹃現代思想﹄[9]や﹃数学セミナー﹄[14]等の雑誌にも多くの数学随筆を発表している。
略歴[編集]
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●1955年︵昭和30年︶ - 東京都生まれ[1]。
●1978年︵昭和53年︶ - 東京工業大学理学部卒業。
●東京工業大学︵理学修士︶[15]。
●カリフォルニア大学バークレー校︵Ph.D︶[15]。
●1997年︵平成9年︶ - 東北大学教授[1]。
●2008年 - 2017年︵平成20年 - 平成29年︶- 科学基礎論学会 理事[15]。
●2012年 - 2015年︵平成24年 - 平成27年︶ - Association for Symbolic Logic, Councilor︵評議員︶[15]。
著作[編集]
図書[編集]
●﹃逆数学と2階算術﹄倉田令二朗 監修、河合文化教育研究所(出版) 河合出版(発売)︿数学基礎論シリーズ4巻﹀、1997年8月。ISBN 4-87999-970-9。 ●﹃数の体系と超準モデル﹄裳華房、2002年4月。ISBN 4-7853-1530-X。 ●﹃ゲーデルに挑む 証明不可能なことの証明﹄東京大学出版会、2012年4月。ISBN 978-4-13-063900-2。 ●﹃チューリングと超(メタ)パズル﹄東京大学出版会、2013年11月。ISBN 978-4-13-063901-9。 ●﹃数学基礎論序説: 数の体系への論理的アプローチ﹄裳華房、2019年6月。ISBN 978-4785315757。 ●﹃山の上のロジック学園---不完全性定理をめぐる2週間の授業日誌﹄日本評論社、2019年12月。ISBN 978-4-535-78913-5。共著[編集]
●吉野崇 共著﹃線形代数学 基礎課程﹄培風館、1998年3月18日。ISBN 4-563-00259-3。 ●鈴木登志雄 共著﹃数学のロジックと集合論﹄培風館、2003年12月17日。ISBN 4-563-00337-9。編著[編集]
●田中一之 編著、鹿島亮 ほか﹃数学基礎論講義 不完全性定理とその発展﹄日本評論社、1997年3月。ISBN 4-535-78241-5。 ●田中一之 編﹃ゲーデルの20世紀﹄東京大学出版会︿ゲーデルと20世紀の論理学1﹀、2006年7月。ISBN 4-13-064095-X。[16] ●田中一之 編﹃完全性定理とモデル理論﹄東京大学出版会︿ゲーデルと20世紀の論理学2﹀、2006年10月。ISBN 4-13-064096-8。[16] ●田中一之 編﹃不完全性定理と算術の体系﹄東京大学出版会︿ゲーデルと20世紀の論理学3﹀、2007年3月。ISBN 978-4-13-064097-8。[16] ●田中一之 編﹃集合論とプラトニズム﹄東京大学出版会︿ゲーデルと20世紀の論理学4﹀、2007年7月。ISBN 978-4-13-064098-5。[16]翻訳[編集]
●M・フィッティング﹃計算理論と論理プログラミング﹄山崎秀記・守谷哲夫・田中一之 訳、丸善出版、1989年8月。ISBN 978-4-621-03397-5。 ●ソーンダース・マックレーンほか﹃数学の基礎をめぐる論争 21世紀の数学と数学基礎論のあるべき姿を考える﹄田中一之 編・監訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、1999年2月20日。ISBN 4-431-70797-2。 ●M・ジャキント 原著﹃確かさを求めて 数学の基礎についての哲学論考﹄田中一之 監訳、培風館、2007年1月30日。ISBN 978-4-563-00370-8。 - 原タイトル‥The search for certainty. ●トルケル・フランセーン﹃ゲーデルの定理 利用と誤用の不完全ガイド﹄田中一之 訳、みすず書房、2011年3月25日。ISBN 978-4-622-07569-1。 - 原タイトル‥Godel's Theorem: An Incomplete Guide to its Use and Abuse. [17] ●ダン・クライアン、シャロン・シュアティル﹃ロジックの世界 論理学の哲人たちがあなたの思考を変える﹄ビル・メイブリン︵絵︶、田中一之︵訳︶、講談社︿ブルーバックス﹀、2015年3月19日。ISBN 978-4-06-257907-0。 - 原タイトル‥Introducing Logic: A Graphic Guide.監訳[編集]
●レイモンド・M・スマリヤン﹃スマリヤン 数理論理学講義 上巻﹄・川辺 治之 訳・田中一之 監訳、日本評論社、2017年9月。ISBN 978-4-535-78772-8。 ●レイモンド・M・スマリヤン﹃スマリヤン 数理論理学講義 下巻﹄・川辺 治之 訳・田中一之 監訳、日本評論社、2018年9月。ISBN 978-4-535-78851-0。 ●ジョン・スティウェル﹃逆数学:定理から公理を﹁証明﹂する﹄・川辺 治之 訳・田中一之 監訳、森北出版、2019年2月。ISBN 978-4627054516。脚注[編集]
(一)^ abc“Tanaka C.V.”. 2015年1月9日閲覧。
(二)^ “Sendai Logic Seminar ︵数学基礎論,数理論理学︶”. 2015年1月9日閲覧。
(三)^ “田中一之‥みすず書房”. 2015年1月9日閲覧。
(四)^ “Mathematics Genealogy Project”. 2015年1月8日閲覧。
(五)^ ﹃チューリングと超パズル﹄の前書き ([1])。
(六)^ ﹃逆数学と2階算術﹄の前書き。
(七)^ 田中一之、岡本賢吾﹁不完全性定理再考﹂﹃現代思想﹄2007年2月臨時増刊号、青土社、2007年2月、ISBN 978-4-7917-1160-4。
(八)^ A. チューリング、田中一之訳﹁解ける問題と解けない問題﹂﹃現代思想﹄2012年11月臨時増刊号、青土社、2012年10月17日、ISBN 978-4-7917-1252-6。
(九)^ [7]、[8]など。
(十)^ 田中一之﹁ランダムネスと論理学﹂﹃数学セミナー﹄2011年2月号、日本評論社、2011年1月12日。
(11)^ 田中一之﹁チューリングの最後の論文﹂﹃数学セミナー﹄2012年7月号、日本評論社、2012年6月12日。
(12)^ 田中一之﹁無限ゲームとオートマトン﹂﹃数学セミナー﹄2014年11月号、日本評論社、2014年10月11日。
(13)^ ﹃数学セミナー﹄2011年2月号、日本評論社、2011年1月12日、34頁。
(14)^ [10]、[11]、[12]を始め14号に執筆している(2015年1月現在)[13]。
(15)^ abcdResearchmap
(16)^ abcd編者の﹁刊行にあたって﹂と各巻の詳細情報が公開されている。 田中一之: “ゲーデルと20世紀の論理学︻全4巻︼‥シリーズ・講座‥東京大学出版会”. 東京大学出版会 (2006年). 2013年4月27日閲覧。
(17)^ PDFの訳者あとがきが公開されている。田中一之 (2011年2月). “訳者あとがき” (PDF). みすず書房. 2013年4月27日閲覧。