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程本直

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  

経歴

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程本直は元来、一介の平民に過ぎず、袁崇煥とは面識がなかった。しかし、袁崇煥の名声を聞き、その志に強く胸を打たれ、遂には三度袁崇煥のもとを訪ね、面会を求めた。しかし、袁崇煥は軍務で多忙の身であり、会えずじまいであった。それでも諦めきれなかった程本直は、袁崇煥の軍に入り、必死に力を尽くして手柄を立てた。その苦労が実り、程本直の働きは袁崇煥の目に留まって、ついに彼は袁崇煥の配下の武将になった。袁崇煥はその後、後金の反間の計に陥れられて冤罪を被り、猜疑心の強い崇禎帝によって、百刻みの刑に処されることになった。程本直は憤慨し、袁崇煥の無実を訴えた。だが、上奏文の内容があまりに大胆かつ率直過ぎたために、程本直までも崇禎帝の怒りを買ってしまい、その結果、程本直は死罪に処されることになった。死の間際、程本直は袁崇煥の雄姿と活躍を讃えるべく『漩声記』という書を書き残し、併せて弟の程本剛に言い残した、 「袁督師のために死ねるならまさに本望だ。ただ俺の亡骸を、袁督師の傍に葬り、墓標に記してくれ、『一対の愚か者、一双の命知らず』と……。そう記してくれるのなら、たとえ死罪になろうが、心残りはない」と。崇禎帝のお触れにより袁崇煥の冤罪を信じた北京の民衆は激怒し、袁崇煥を「国賊・大罪人」と非難して憎んだ。袁崇煥の処刑後、遺体は北京の民衆によって荒らされ、散逸した。程本直の「袁崇煥の傍に葬って欲しい」との遺言も果たされることはなかった。

中国ドラマ『袁崇煥』における描写

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2018


脚注

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出典

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  • 岡崎由美監修、小島早依訳、(金庸著)『碧血剣 1.復讐の金蛇剣』(1997年、徳間書店)