美術モデル
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概要[編集]
美術解剖学モデルの場合、長時間の勤務となり、男女両方のモデルが少数存在する。女性モデルの身体は、筋肉の上の脂肪の層が厚く曲線に満ちていて男性モデルを描くのとは別の難しさがある。身体の表面の陰影も明らかに男性モデルとは異なっている。男性モデルの身体は、骨格や筋肉の描写を習得するのに適している。美術学生は、男性・女性の両方、さまざまな体型・年齢のモデルを描き、その違いを知ることができれば、意義ある学習となる。 ポージング ポーズをとることをポージングと言う。 一般論を言うと、まずモデルは講師などの大まかな指示に従いポーズをとり、その次に姿勢の微修正の要望などが講師や生徒などから出るなどして少し試行錯誤が入ることがあるが、ポーズに関して﹁OK﹂を出され各制作者が描き始めたら、もう動いてはならず、一定のポーズを約20分間とり続けなければならない。 美術モデルの事務所として、美術モデルの雇用及び派遣のみを専門に行う事務所の他、美術モデルの雇用及び派遣を事業の一環として行う芸能事務所や美術団体が存在する。美術モデルの雇用形態は、事務所に所属していないフリーモデル、事務所に所属している所属モデル、特定の学校や団体のみで美術モデルの仕事を行う専属モデルがいる。 美術モデルには、芸術家又は芸術関連の仕事に従事しながら美術モデルを兼ねている者、ダンサーなど他ジャンルのモデルが美術モデルを兼ねている者、主婦や学生がアルバイトで美術モデルを行う者、美術モデルの仕事だけを専業として行う者がいる。衣服を着ない仕事のみを行う美術モデルは﹁ヌードモデル又は裸婦モデル﹂に分類され、衣服を着た仕事のみを行う美術モデルはコスチュームモデル又は﹁着衣モデル﹂に分類されるが、裸婦・着衣両方の仕事を行う美術モデルも存在する。
歴史[編集]
主な美術モデル[編集]
アリス・プラン、オードリー・マンソン、オリーヴ・トーマスらが特に有名である。生年、没年は不要。モデルのリストが必要な研究者は、「Category:美術モデル」を参照
。著名な美術モデルとしては、オードリー・マンソン[6]やモンパルナスのキキ[注 1]などがいた。オードリー・マンソンは美術モデルの他に女優や作家も兼業していた。オードリーは1915年11月18日公開のアメリカ製サイレント映画﹃Inspiration (en)﹄で、映像作品で初めてヌードになった女優とも言われている[6]。
●ジョアンナ・ヒファーナン - 1843年頃~1903年以降。アイルランド人。画家の恋人。クールベの﹃眠り﹄でヌードモデルを務めた。
●ヴィクトリーヌ・ムーラン - 1844年~1927年。フランス人。美術モデル、画家。マネのモデルを務めた。
●カミーユ・クローデル - 1864年~1943年。フランス人。彫刻家。ロダンのモデルを務めた。
●イヴリン・ネズビット - 1884年か1885年~1967年。アメリカ人。美術モデル、歌手、女優。
●オードリー・マンソン - 1891年~1996年。アメリカ人。美術モデル、女優。女優としては、1915年の映画﹃inspiration (en)﹄、1916年の映画﹃Purity (en)﹄に出演。
●ジャンヌ・エビュテルヌ - 1898年~1920年。フランス人。画家。モディリアーニのモデルを務めた。
●オリーヴ・トーマス - 女優、美術モデル。
●アリス・プラン - 1901年~1953年。フランス人。歌手、女優、美術モデル、画家。﹁モンパルナスのキキ﹂と呼ばれた。ユトリロら多くの画家と友人になった。
●淡谷のり子 - 伝説の﹁ブルースの女王﹂。岡田三郎助、田口省吾、前田寛治等のモデルになった。
●佐々木カネヨ - ﹁お葉﹂の名で知られる。藤島武二、伊藤晴雨、竹久夢二のモデルになった。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ キキは美術モデルだけでなく、女優、歌手としても活動した。
出典[編集]
- ^ http://kotobank.jp/word/デッサン-576188
- ^ http://kotobank.jp/word/クロッキー-57997
- ^ “POLICY ON THE USE OF NUDE MODELS IN ART”. Gordon University, Department of Art.. 2012年11月23日閲覧。
- ^ 「裸婦ポーズ集―Let’sダ・ヴィンチ」若林利重・藤田恒夫、p.107
- ^ 若林・藤田 2002, p. 107.
- ^ a b https://www.imdb.com/name/nm0613242/
参考文献[編集]
●若林利重、藤田恒夫﹃裸婦ポーズ集―Let’sダ・ヴィンチ﹄六耀社、2002年10月1日。OCLC 166705955。ISBN 4-89737-449-9、ISBN 978-4-89737-449-9。推薦書[編集]
●浅尾丁策﹃金四郎三代記―谷中人物叢話﹄芸術新聞社、1986年6月1日。OCLC 673940461。ISBN 4-87586-008-0、ISBN 978-4-87586-008-2。 ●浅尾丁策﹃昭和の若き芸術家たち―続金四郎三代記﹇戦後篇﹈﹄芸術新聞社、1996年10月1日。OCLC 40786376。ISBN 4-87586-225-3、ISBN 978-4-87586-225-3。 ●小林範子﹃ある美術モデルの肖像﹄大陸書房、1985年8月。OCLC 674377429。ISBN 4-8033-0927-2、ISBN 978-4-8033-0927-0。 ●長島はちまき﹃美術モデルのころ﹄バジリコ、2005年10月1日。OCLC 676282552。ISBN 4-901784-73-0、ISBN 978-4-901784-73-3。 ●若林利重、藤田恒夫﹃裸婦ポーズ集―Let’sダ・ヴィンチ﹄六耀社、2002年10月1日。OCLC 166705955。ISBN 4-89737-449-9、ISBN 978-4-89737-449-9。 英語で書かれた書籍 ●Lipton, Eunice (1992) (英語). Alias Olympia : a woman's search for Manet's notorious model & her own desire. Ithaca: Cornell University Press. ISBN 978-0-8014-8609-8. NCID BA5133799X. OCLC 477114490 ●Steiner, Wendy (2010) (英語). The Real Thing: the Model in the Mirror of Art (1st Edition ed.). Chicago: University of Chicago Press. OCLC 780967262ISBN 0-2267-7219-5, ISBN 978-0-2267-7219-6. ●Waller, Susan (2006) (英語). The Invention of the Model: Artists and Models in Paris, 1830–1870. Burlington, Vermont: Ashgate Publishing. OCLC 994205766ISBN 0-7546-3484-1, ISBN 978-0-7546-3484-3.関連項目[編集]
●フリュネ ●シモネッタ・ヴェスプッチ ●ミシア・セール ●パブロ・ピカソ ●サルバドール・ダリ ●コンテンポラリー・ダンス ●新体操 ●ヌードモデル ●バレエ外部リンク[編集]
- 美術モデル研究室(HP閉鎖 アーカイブ)