聖櫃
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エルサレム神殿[編集]
神殿内に十戒の板︵石板︶を収めていた箱をアローン=ハッコーデシュ︵אֲרוֹן קֹדשׁ ărōn qōdheš︶という︵歴代誌下 35:3 などを参照︶。この箱は﹁聖櫃﹂とも訳されるが、キリスト教においては﹁契約の箱﹂と訳される事も多い。正教会では﹁約櫃﹂と訳される︵後述︶。詳細は「契約の箱」を参照
ユダヤ教[編集]
ユダヤ教における聖櫃とは、シナゴーグ内で、トーラーの巻物︵セーフェル・トーラー︶を保管する設備のこと。
エルサレムの方向に位置する壁に設置する。
この壁、また方向を示す装飾品をアシュケナジム系コミュニティーではミズラハ﹁東﹂という︵ミズラハは﹁東﹂なので、東にエルサレムがない地方では適用されない︶。
セファルディム系ではヘーハール הֵיכָל hēykhāl ﹁宮殿﹂という呼び方をする。
ミズラハの内部に埋め込まれた形状のもの、壁の前に設置された箪笥状のものがある。
セファルディム系では聖櫃の上にネール・ターミード︵ランプ︶が下げられている。アシュケナジム系では聖櫃の前に幕︵parokheth︶が下げられている。ビーマー︵アルメマール、テバー︶までの手すり、高欄で囲まれた階段が付いている。
トーラーの朗読 Torah reading の際に取り出し、終わるとトーラーをケース︵アシュケナジム系ではマント︶に入れて聖櫃にしまう。
キリスト教[編集]
正教会[編集]
正教会においては、聖櫃とは聖人の不朽体が納められた、装飾された箱である[1]。ただし以下の聖龕や約櫃も聖櫃と呼ぶ事もある[2][3]。
ハリストス︵キリスト︶の聖体︵予備聖体︶が納められた宝座上の箱は聖龕︵せいがん︶と呼ばれる[4]。
旧約聖書に記された契約の箱の事は約櫃︵やくひつ︶と呼ばれる[5]。正教会では、旧約における約櫃に生神女マリヤが預象︵よしょう︶されていたと伝統的に捉える[6]。
カトリック教会[編集]
カトリック教会において、キリストの肉に聖変化したと信じられているパン(聖体)をおさめた容器。
現在では聖体がおさめられているかどうかを、小さな赤いランプが灯っているかどうかで示すことが多い。多くは銀などの金属製。
契約の箱を聖櫃と呼ぶこともある。
フィクションの聖櫃[編集]
脚注[編集]
(一)^ 克肖者奇蹟者聖セラフィム列聖百年記念祭に参加して (司祭 パウェル 及川信)
(二)^ ﹃誰でも知っておきたい正教会の諸習慣と常識﹄ ︵日本語︶
(三)^ ﹃大研究﹄主要索引&英和対照表 増補版 ︵日本語︶
(四)^ 聖体機密のための聖器物 ︵日本語︶
(五)^ 主神我が救世主イイススハリストスの神現祭 - 正教会の祈祷書。﹁イイススナワィンの記の讀。︵三章︶﹂の部分。﹁イイススナワィンの記︵三章︶﹂はヨシュア記︵3章︶のこと。︵日本語︶
(六)^ 第一調﹁スボタ﹂の大晩課 - 正教会の祈祷書。︵日本語︶