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深部腱反射

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
膝蓋腱反射から転送)

深部腱反射(しんぶけんはんしゃ、DTR:Deep Tendon Reflex)(腱反射、伸張反射とも呼ばれる)は、太い骨格筋につながる腱を筋が弛緩した状態で軽く伸ばしハンマーで叩くと、一瞬遅れて筋が不随意に収縮する反射。人体にみられる生理的な反射の代表的なものである。手軽に誘発することができる上、運動系(錐体路系)障害や中枢神経障害の診断の目安となるため神経学的検査として非常に頻繁に用いられている。

性質[編集]

深部腱反射を観察しやすい箇所はいくつかあり、以下のものが代表的である。

被検者が緊張していたり、特に検査部位に意識を集中していると腱反射は出現しにくくなる。その場合は無関係な運動(自分の右手と左手を組んで互いに引っ張る)をさせることで腱反射が出現しやすくなる(Jendrassik(ジェンドラシック)手技)。

反射のメカニズム[編集]


----

γ

Ia

Ia

Ia



γαaIaαα-γ coactivation


病的反射と臨床意義[編集]


2

[]


ADL

[]


Iaα

尿

調

まとめ[編集]

病的反射であるホフマン反射、トレムナー反射、ワルテンベルグ反射は手指屈筋反射にバビンスキー反射とチャドック反射は足底筋反射としてまとめた。

深部腱反射のまとめ
反射 求心神経 主な反射中枢レベル 遠心神経
下顎反射 三叉神経 三叉神経
上腕二頭筋反射 筋皮神経 C5 筋皮神経
上腕三頭筋反射 橈骨神経 C7 橈骨神経
腕撓骨筋反射 橈骨神経 C6 橈骨神経
手指屈筋反射 正中神経 C8 正中神経
三角筋反射 腋窩神経 C5 腋窩神経
大胸筋反射 前胸神経 C5-T1 前胸神経
膝蓋腱反射 大腿神経 L4 大腿神経
アキレス腱反射 脛骨神経 S1 脛骨神経
下肢内転筋反射 閉鎖神経 L3-L4 閉鎖神経
膝屈筋反射 坐骨神経 S1 坐骨神経 
表在反射のまとめ
反射 求心神経 主な反射中枢レベル 遠心神経
角膜反射 三叉神経 顔面神経
咽頭反射 舌咽神経 延髄 迷走神経
軟口蓋反射 三叉神経 延髄 顔面神経
腹壁反射 胸神経 T5-T12 胸神経
挙睾筋反射 大腿神経 L1,L2 大腿陰部神経
足底筋反射 脛骨神経 L5,S1,S2 脛骨神経

関連[編集]