菊地信義
菊地 信義︵きくち のぶよし、1943年 - 2022年3月28日[1]︶は、日本の装幀家︵菊地は﹁装幀者﹂と称する︶。東京都出身。
来歴[編集]
多摩美術大学を中退後、広告代理店に入社。大学1年のとき、モーリス・ブランショの﹃文学空間﹄で、装幀に魅了される[2]。1977年に装幀家として独立後、2008年までに1万数千冊の装幀を手がけた。タイトルの文字をぼかしたりゆらぎを持たせたりするデザインや、著者名のローマ字表記など、さまざまな特徴的なデザインを考案した。1984年、装幀の業績により第22回藤村記念歴程賞を受賞。1988年、第19回講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞。2019年、菊地を取り上げたドキュメンタリー映画﹃つつんで、ひらいて﹄が公開された[3]。主な装幀担当作品[編集]
●講談社文庫、講談社文芸文庫、河出文庫、平凡社新書のフォーマット ●金原ひとみ﹃アッシュベイビー﹄ ●北方謙三﹃水滸伝﹄﹃楊令伝﹄シリーズ ●﹃詳説日本史﹄などの教科書をはじめとする、山川出版社のほぼすべての出版物 ●中島義道の大部分の著作物 ●澁澤龍彦全集、同翻訳全集︵河出書房新社︶ ●古井由吉の大部分の著作物︵古井自身とも親交があり、連句や寺社巡りなどを共にしている︶ ●ポーランド文学古典叢書シリーズ︵未知谷︶著書[編集]
単著[編集]
●﹃装幀談義﹄筑摩書房、1986年。ISBN 978-4480870841。 ●﹃菊地信義 装幀の本﹄リブロポート、1989年。ISBN 978-4845704002。 ●﹃装幀=菊地信義の本﹄講談社、1997年。ISBN 978-4062086615。 ●﹃樹の花にて—装幀家の余白﹄白水社︿白水Uブックス﹀、2000年。ISBN 978-4560073483。 ●﹃みんなの﹁生きる﹂をデザインしよう﹄白水社、2007年。ISBN 978-4560027967。 ●﹃新・装幀談義﹄白水社、2008年。ISBN 978-4560031605。 ●﹃装幀思案﹄角川学芸出版、2009年。ISBN 978-4046213969。 ●﹃菊地信義の装幀 1993~2013﹄集英社、2014年。ISBN 978-4087754155。 ●﹃装幀の余白から﹄白水社、2016年。ISBN 978-4560092408。 ●﹃装幀百花 菊地信義のデザイン﹄水戸部功編・解説、講談社文芸文庫、2022年12月 ●﹃装幀余話﹄作品社、2023年3月。ISBN 978-4861829604。共著・編著[編集]
●﹃わがまま骨董﹄坂本真典︵写真︶、平凡社、2002年。ISBN 978-4582268041。 ●﹃わがまま骨董﹄平凡社ライブラリー、2014年。ISBN 978-4582768091。 ●﹃ひんなり骨董﹄平凡社、2002年。ISBN 978-4582268072。 ●﹃ユリイカ 総特集=装幀者・菊地信義﹄2019年12月臨時増刊号、青土社脚注[編集]
(一)^ “菊地信義さんが死去 装丁家︵写真=共同︶”. 日本経済新聞 (2022年4月8日). 2022年4月8日閲覧。
(二)^ 菊地信義﹃新・装幀談義﹄白水社、2008年。ISBN 9784560031605。
(三)^ “映画﹃つつんで、ひらいて﹄公式サイト”. 2020年4月30日閲覧。