菌
菌 ︵きん︶ とは、元来、キノコを意味した。なお、漢字﹁菌﹂の訓は﹁きのこ﹂である。
近代には﹁菌類﹂、つまりキノコに似ていると考えられた生物の雑多なグループを指すようになった。この意味での﹁菌﹂は、学名の﹁‐mycota﹂﹁‐mycetes﹂など ︵ギリシア語で﹁キノコ﹂︶ の訳語であることが多い。
菌類には、互いに類縁関係の乏しい多くの系統が含まれる。その中で代表的なのはキノコ・カビ・酵母などを含む真菌で、菌・菌類という言葉で真菌を指すこともある。例えば、﹁菌界﹂は真菌の分類群である。
さらに、後になって発見された微小な生物であるBacteria︵バクテリア︶にも﹁細菌﹂という単語が当てられた。一般に耳にする○○菌︵結核菌や乳酸菌など︶の殆どは細菌に属する。菌という漢字が使われているが、狭義の菌類ではない。
また、1990年になってBacteriaから切り離されたArchaea︵アーキア︶にも﹁古細菌﹂という単語が当てられている。これも菌や細菌という漢字が使われているが、狭義の菌類でも細菌でもない。