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葬送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レーガン大統領の葬送

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西Hearse輿

現代においては、モータリゼーションの発展により交通事情も変化したため、昔ながらの葬列により棺を運ぶことはほとんど行われなくなった。日本では葬送の儀式が簡略化され、棺を担ぐのは葬儀会場の近くに待機した霊柩車までであり、会葬者は用意されたマイクロバスや各自の自動車等で霊柩車とは別に火葬場へ向かう。しかし、世界的に見れば自動車により葬送が消滅しているわけではなく、霊柩車と会葬者たちが車列を組んで「自動車葬列」により葬送することもある。東南アジアでは棺や会葬者を輸送するためのきらびやかに飾りつけられたトラックが普及している。

国葬のような大規模葬儀では、現在も儀礼的な葬送のパレードが行われることがある。

葬列[編集]

葬列には十字架ろうそくイコンなど宗教上や民俗上のシンボルを捧げ持った人々が付き従う。日本では、位牌天蓋・旗・供物などを捧げ持つのが伝統であった。現在でも葬送の際には近親者が位牌と遺影を捧げ持って棺を先導する慣習が残っている。

西欧では黒いローブを着けた人々が無言で葬列を組むため非常に暗く重苦しい印象があるが、ギリシャ正教では盛んに聖歌を歌いながら葬送を行う。また、東南アジアでは、楽隊がにぎやかに鐘や太鼓を打ち鳴らしながら葬送を行う。これは魔を払うためとも説明される。

他人の葬列に出会うことはしばしば縁起が悪い事とされるが、イスラム圏では逆に棺を担ぐことが死者への供養とされるため、行きずりの人々がかわるがわる棺を担ぐという光景が見られる。

葬送を始めることを「出棺」といい、この際、玄関ではなく縁側から棺を出したり、縁側で棺を3回まわしてから運ぶなどの特異な風習もある。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 「送葬」(goo辞書 : 元出典:デジタル大辞泉)

関連項目[編集]