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警務部︵けいむぶ︶とは、都道府県警察本部に必置の部署。人事・会計などを担う管理部門である。
担当業務[編集]
主に警察職員の人事、福利厚生、教育などを担当する。一般企業で言えば人事部に近い。また、監察官が置かれ、警察職員が被疑者となっている事件の捜査も行う。
一般的な県警察本部では前記の業務のほか、本部長の秘書、広報、情報管理、留置管理︵留置場に勾留されている被疑者の身柄取り扱い︶など、警視庁や大規模警察本部の総務部の業務も合わせて担当する。
警視庁の組織[編集]
●人事第一課
●警視庁制度企画室
警視・警部の人事を担当。
地方警務官︵警視正、警視長、警視監、本部長である警視総監︶については、警察庁の補佐の下で国家公安委員会がこれらを所掌する。
課長は警察庁キャリアの警視長で、警務部参事官が事務を取扱うケースが多い。
●人事第二課
●警視庁採用センター
警部補以下の人事、警察学校学生への採用選考を担当。課長はノンキャリアの警視正。
●訟務課
警視庁︵実際には警視庁の管理者である東京都︶を相手取った訴訟が提起された場合、被告代理を務める。
●給与課
勤務実績に基づく給与の計算と支払いを担当。
●厚生課
●警視庁職員相談支援センター
●教養課
●警視庁拳銃指導室
●警視庁通訳センター
●警視庁健康管理本部
※警視庁の組織について
警視庁本部の課長代理の担当並びに係の名称及び分掌事務に関する規定を参考にしている。
総務、人事、会計など、警察本部の中枢を担う警務部のトップである警務部長は、警察本部長に次ぐ地位であり︵警視庁と大阪府警察だけそれぞれ副総監、副本部長がいる︶、地方警務官として警察庁のキャリアまたは準キャリア︵大卒程度国家一般職、旧国家公務員II種行政区分合格者で警察庁本庁に採用された者︶が就任する。階級は警視監〜警視正。
スポーツ選手[編集]
通常各県警察本部所属のスポーツ選手は機動隊に在籍していることが多いが、射撃選手だけは拳銃指導を行う教養課に籍を置いていることが多い︵神奈川県警察本部の松田知幸など︶。
警務部付[編集]
各都道府県警の異動公示の際や新聞・テレビなどの報道に用いられる。前者は次の役職への待命期間や定年退職する警察官が所属先から離れて退職日までの間一時的な所属先として使われるが、後者は不祥事を起こした警察官、とりわけ警部以上の幹部警察官が更迭され懲戒処分や次の異動先が見つかるまでの懲罰的な異動として使われる[要出典]。
警察庁の場合は、警察庁長官官房付となる。民間企業における﹁総務部付﹂﹁人事部付﹂に相当。