逆流
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逆流︵ぎゃくりゅう︶とは、流れが普通とは逆の方向へ向かうこと。物や事が本来の進行方向・進捗方向とは正反対の側へ進むことを言う。
本義は、高所から低所へと一方向に進む川の流れが逆方向へ進むことであるが、そこから転じて、水を始めとする液体ばかりでなく空気など気体を含む流体、吐瀉物など固体を含む流動物、さらには概念的表現にも用いられる。
なお、仏教用語の逆流︵ぎゃくる︶についても、順流︵じゅんる︶と共に本項で解説する︵後述︶。
自然の逆流[編集]
海嘯[編集]
詳細は「海嘯」および「w:Tidal bore」を参照
河口に入る海の潮波が垂直壁となって河を逆流する現象は、古来、中国では海嘯、日本では海嘯もしくは潮津波︵しおつなみ︶と言う。古より漢字文化圏では中国の銭塘江潮︵銭塘江の海嘯︶が広く知られていた。現代世界では南米アマゾン川の﹁ポロロッカ﹂が代表的なものとして一般によく知られているが、イギリスのテムズ川やセヴァーン川等で起こる﹁ボーア (bore)﹂、フランスのセーヌ川やガロンヌ川で起こる﹁バール (barre)﹂、その他世界各地で起こる海嘯が、それぞれの地域ではよく知られている。
津波の河川遡上[編集]
河口に進入する津波によっても海嘯に近い結果を伴う現象が起こるが、これは、﹁川における津波の遡上︵そじょう︶﹂であって、発生原理からして海嘯とは別ものである。本来の川の流れをも巻き込んで海の水が川筋に沿って逆流するという点では両者は同じであるが、予測可能な定期的現象である海嘯に対して、津波は非常の現象である。強大な海嘯はときとして被害をもたらすが、津波が強大であった場合、逆流するのは巻き上げた海底の有毒物質などを含む瓦礫混じりの海水であり、危険性は比較にならない。 2011年︵平成23年︶3月11日に発生した東日本大震災の大津波では、名取川下流域などを内陸深くまで遡上した津波が甚大な被害をもたらした。身体の逆流[編集]
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概念的逆流[編集]
精神医学や催眠術によって、あるいは心霊主義的手段などによって、人の記憶や人生を子供時代や前世なる過去生にまでさかのぼることを﹁○○の逆行﹂と表現するが、一連の流れがあるものを逆に進むという意味で﹁○○の逆流﹂も同義である。﹁前世療法﹂も参照のこと。
現実には不可能な概念的表現ではあるが、空想的世界にあって、過去に向かうタイムトラベルで時代をさかのぼることは、﹁時間軸を逆行する﹂行為であり、決して時間が﹁逆流﹂するわけではないが、混同されて使われることはある。なお、﹁時代﹂もまた﹁逆行﹂はすれども﹁逆流﹂はしない。
解脱的逆流[編集]
仏教では、苦悩しながら生死・流転を繰り返す輪廻の迷いに順ずる意味の順流︵じゅんる︶に対して、これに逆らって悟りへと向かうこと、悟りへの道を進むことを指して、逆流︵ぎゃくる︶と言う。逆流なくして解脱はない。関連項目[編集]
- クロスコネクション - 汚染された水が飲料水管に混入してしまう状態。