闘牛士の歌
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『闘牛士の歌』(とうぎゅうしのうた、フランス語: Couplets du toréador)は、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ『カルメン』で歌われるアリア。
「闘牛士の歌」は通称であり、冒頭の歌詞「諸君らの乾杯を喜んで受けよう」(仏:Votre toast, je peux vous le rendre, より正しくは「あなたがた(兵士たち)に私は乾杯を捧げることができる」の意味)でも知られている。
第2幕でエスカミーリョ(バリトン)が歌い、酒場の客たちの男声合唱が加わる。末尾部分はフラスキータ、メルセデス、カルメンが加わった短い四重唱となっている。
歌詞[編集]
フランス語(原詞) | 日本語訳 |
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Votre toast, je peux vous le rendre, |
あなたがた兵士に乾杯しよう、
セニョール、セニョール、なぜなら兵士は
われわれ闘牛士とわかりあえる。
どちらも望んで戦いに赴くのだから。
闘牛場は満員、今日は祭りの日。
闘牛場は満員、上から下まで。
観客は我を忘れ、
大声でわめきあう。
歓声、叫び、騒ぎが
嵐のように巻き起こる。
なぜならこれは勇気の祭り、
これは勇者の祭りだからだ。
さあ、構えにつけ! 早く、早く! ああ!
闘牛士、気を引き締めろ! 闘牛士、闘牛士!
そして戦いのなかでも覚えているのだ、
黒い目がおまえを見ていることを、
そして恋が待っていることを。
闘牛士、恋がおまえを待っている!
そして戦いのなかでも覚えているのだ、
黒い目がおまえを見ていることを、
そして恋が待っていることを。
闘牛士、恋がおまえを待っている!
突然、場が静まりかえる。
あっ! 何が起きた?
ふたたび叫び声があがる、その瞬間!
ふたたび叫び声があがる、その瞬間!
牛が突進する。
囲いから解き放たれて!
突っ込んでくるぞ! やってくるぞ!
体当たりを食らわせ、馬を倒し、
ピカドールが引きずられる。
ああ! すごいぞ、この牛! 観客が叫ぶ。
牛が行く。突っ込んでくる。
また突っ込んでくる。
体に刺さった槍を揺らせながら、
憤怒に燃えて突っ込んでくる!
闘牛場は血だらけ!
やばい、仕切りの向こうに逃げなければ!
おまえの出番だ! さあ行け!
構えにつけ! 早く、早く! ああ!
闘牛士、気を引き締めろ! 闘牛士、闘牛士!
そして戦いのなかでも覚えているのだ、
黒い目がおまえを見ていることを、
そして恋が待っていることを。
闘牛士、恋がおまえを待っている!
そして戦いのなかでも覚えているのだ、
黒い目がおまえを見ていることを、
そして恋が待っていることを。
闘牛士、恋がおまえを待っている!
そして戦いのなかでも覚えているのだ、
黒い目がおまえを見ていることを、
そして恋が待っていることを。
そして恋が待っていることを。
闘牛士、恋がおまえを待っている!
恋! 恋! 恋!
闘牛士、恋がおまえを待っている!
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