陸前高田市立博物館
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陸前高田市立博物館 Rikuzentakata City Museum | |
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陸前高田市立博物館(2022年10月) | |
施設情報 | |
事業主体 | 陸前高田市 |
建物設計 | 内藤廣建築設計事務所[1] |
延床面積 | 2,800 m2[1] |
開館 | 2022年11月5日[2] |
所在地 |
〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字並杉300番地1[3] |
位置 | 北緯39度0分56秒 東経141度37分41秒 / 北緯39.01556度 東経141.62806度座標: 北緯39度0分56秒 東経141度37分41秒 / 北緯39.01556度 東経141.62806度 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
プロジェクト:GLAM |
陸前高田市立博物館︵りくぜんたかたしりつはくぶつかん、Rikuzentakata City Museum︶は、岩手県陸前高田市にある博物館。岩手県立博物館・一関市博物館と並び、岩手県内では3館のみの公開承認施設のひとつである[4]。
2011年の東北地方太平洋沖地震︵東日本大震災、以下﹁震災﹂と略記︶で被災し再建された。貝類の標本、漁具や津波の資料などおよそ7,300点を展示する[5]かたわら、震災で被災した文化財の修復作業も行っている。
歴史[編集]
1959年︵昭和34年︶に、東北地方で初となる公立登録博物館として、旧気仙町役場庁舎の一部を改修して開館[6]。 2011年3月11日に発生した震災により、当館は甚大な被害を受けた。建物は全壊し[7]、当館を含む市内の文化施設4箇所の収蔵品約56万点が津波にのまれた[8]ほか、4名いた市の学芸員も3名が犠牲となった[7]が、全国の博物館や大学などの支援を受け、唯一生存した学芸員らが同年4月1日より収蔵品の救出作業を開始[9]。約46万点を回収し、修復・安定化処理作業に取りかかった[8]。 その後、同じく震災で被災した市内の水族館﹁海と貝のミュージアム﹂と合築の形で当館を再建することが決まり、2020年︵令和2年︶1月に着工[4]、2021年7月に竣工し、建材に含まれる化学物質が収蔵品に影響を与えないよう通風乾燥を行う﹁枯らし﹂期間を経たのち[2]、2022年11月5日に再開館した[10]。震災前は徴収していた入館料を再開館後は無料とし、また休館日であった祝日も開館する[11]。 再開館後も収蔵品の修復作業は続けられており[8]、来館者が作業の様子を見学できるよう、作業室は一部がガラス張りになっている[4]。一方で、津波で被災した資料を修復すること自体が世界的に見ても稀な取り組みであり[12]、修復方法が未確立であるなどの理由で作業が困難な資料も残されている[9]。再開館当月の2022年11月末日時点で、約15万点の資料が手つかずのままであった[13]。 2023年11月、同年10月より大規模改修に伴う長期休館に入った名古屋市博物館からオーギュスト・ロダンの﹃考える人﹄が無償で貸し出され、2026年秋までの予定で展示されている[14][15]。現施設概要[編集]
●設計者‥内藤廣[1] ●規模‥地上2階[1] ●敷地面積‥6,652 m2[1] ●延床面積‥2,800 m2[1] ●着工‥2020年1月[4] ●竣工‥2021年7月[2] ●構造‥RC造、一部鉄骨造[1]主な収蔵・展示物[編集]
●ツチクジラの標本 旧﹁海と貝のミュージアム﹂で展示されていた剥製。﹁つっちぃ﹂の愛称がある。全長は約9.7 mで、クジラの剥製としては日本最大[16]、またツチクジラの剥製としては世界で唯一[10]。震災で被災後、国立科学博物館の筑波研究施設で修復された[8]。 ●陸前高田の漁撈用具 開館から収集が続けられていた2,045点が2008年に国の登録有形民俗文化財に登録[17]。多くは市民から寄贈されたものである[9]。震災で123点が失われ、残りの1,922点も被災したが、地元の漁師が協力して修復された[17]。2023年3月22日には、﹁陸前高田の漁撈用具 3,028点﹂として国の重要有形民俗文化財に指定された[18]。 ●骨角器 国指定史跡の中沢浜貝塚など陸前高田市内に多数所在する貝塚からの出土品。日本国内で1点しか発見されていない軍配型骨角器をはじめとする300点以上を展示[19]。アクセス[編集]
●公共交通機関‥JR東日本 大船渡線BRT陸前高田駅から徒歩1分[3] ●自動車‥三陸沿岸道路 陸前高田ICから5分[3] ●駐車場は、アバッセたかた前の公共駐車場を利用[3]脚注[編集]
(一)^ abcdefg“陸前高田市立博物館の概要について” (pdf). 陸前高田市. 2023年3月11日閲覧。
(二)^ abc﹁陸前高田市 再建の博物館が11月5日に開館へ﹂﹃NHK NEWS WEB﹄日本放送協会、2022年9月7日。2023年3月11日閲覧。
(三)^ abcd“陸前高田市立博物館” (pdf). 陸前高田市. 2023年3月11日閲覧。
(四)^ abcd﹁地域の歴史知る施設着工 市立博物館新築工事 令和3年春の開設目指す 陸前高田︵別写真あり︶﹂﹃Web東海新報﹄東海新報社、2020年1月19日。2023年3月11日閲覧。
(五)^ “知識と文化守る拠点復活-陸前高田市立博物館開館︵岩手県陸前高田市︶”. 復興庁 (2022年11月30日). 2023年3月11日閲覧。
(六)^ “陸前高田市立博物館”. 陸前高田市. 2023年3月11日閲覧。
(七)^ ab﹁地域の記憶をつなぐ 被災し復活した博物館の学芸員の思い<岩手・陸前高田市>﹂﹃FNNプライムオンライン﹄岩手めんこいテレビ、2022年11月10日。2023年3月11日閲覧。
(八)^ abcd﹁文化財修復今も途上﹂﹃読売新聞オンライン﹄読売新聞社、2022年3月1日。2023年3月11日閲覧。
(九)^ abc熊谷賢 (2015年3月11日). “ふるさとの宝は失われていない—陸前高田市立博物館・文化財レスキューがつなぐ街の﹁心﹂”. nippon.com. 2023年3月11日閲覧。
(十)^ ab﹁大震災で全壊 再建された陸前高田市の市立博物館が一般公開﹂﹃NHK NEWS WEB﹄日本放送協会、2022年11月5日。2023年3月11日閲覧。
(11)^ ﹁再建された陸前高田市立博物館 11月5日開館、入館無料、観光拠点目指す﹂﹃読売新聞オンライン﹄読売新聞社、2022年9月2日。2023年3月11日閲覧。
(12)^ “館長挨拶”. 陸前高田市. 2023年3月11日閲覧。
(13)^ ﹁陸前高田に博物館復活 奮闘する学芸員 文化財修復の道のりは続く/陸前高田市﹂﹃ニュースエコー﹄IBC岩手放送、2022年11月30日。2023年3月11日閲覧。
(14)^ ﹃中日新聞web﹄中日新聞社、2023年11月3日。2024年1月29日閲覧。
(15)^ ﹁ロダンの﹁考える人﹂陸前高田に 市立博物館で26年秋まで﹂﹃岩手日報﹄岩手日報社、2023年11月4日。2024年1月29日閲覧。
(16)^ 陸前高田市立博物館の投稿︵591902406279959︶ - Facebook
(17)^ ab﹁﹁陸前高田の漁撈用具﹂が国の有形民俗文化財に 震災で破損も元漁師ら修復︻岩手発︼﹂﹃FNNプライムオンライン﹄岩手めんこいテレビ、2023年3月10日。2023年3月11日閲覧。
(18)^ 令和5年3月22日文部科学省告示第25号
(19)^ 陸前高田市立博物館の投稿︵588400586630141︶ - Facebook
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト
- 陸前高田市立博物館 (@RikutakaMuse) - X(旧Twitter)
- 陸前高田市立博物館 (100063806132327) - Facebook