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電子ブック (規格)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Ebxaから転送)

電子ブック(でんしブック、Electronic Book)は、ソニーが開発した電子書籍で、8cm CD-ROMを専用キャディに収めた。

概要

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通常のCD-ROMと違い、キャディのまま電子ブックプレーヤーと呼ばれる専用ハードウェアで利用する。メディアを汚したり、傷つけたりするおそれがない。電子ブックプレーヤーは乾電池または充電池で動作することが可能で、外出先に持ち出して使用することができる。携帯用電子辞書電子書籍機器のはしりといえる。


終息

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 (DATA Discman) 2000DD-S35[1]

仕様

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EB/EBG/EBXA/EBXA-C/S-EBXA

EB 19901994/

EBG 1994()/

EBXA //

EBXA-C DD-CH10/

S-EBXA 1998

EPWINGEPWING

EBXACD-ROM XAADPCM

EBXA-CJIS X 0208GB 2312

検索・操作

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電子ブックの主要な検索方法は以下の通り。ワイルドカードや正規表現は使えない。電子ブックは一般にかなと英字のインデックスのみが記録されており、漢字を含むキーワードでの検索ができない。これは電子ブックが8cmCD-ROMに記録されるために、記録容量に制限があること、電子ブックプレーヤーには「かな漢字変換」機能がないことによる。検索のためのインデックスがなく検索できないものも多い。その場合はメニュー操作になる(例外的に、電子ブックでありながら、漢字のインデックスを備えるものもある)。

前方一致
見出し語の前方に一致する。「ぜんぽう」で検索すると、「前方」だけでなく、「前方不注意」なども見つかる。
後方一致
見出し語の後方に一致する。「ほうこう」で検索すると、「方向」だけでなく、「双方向」なども見つかる。
条件検索
見出し語ではなく、語釈中の単語を検索する。ただし、その電子ブックの制作時に切り出した単語にしかマッチしないので、実際には語釈中に存在する単語が見つからないこともある。
複合検索
その電子ブック独自の検索方法。例えば漢和辞典であれば、読み・部首・画数のそれぞれを指定して検索する。
テキストメニュー
テキストベースのメニューで選択して閲覧する操作方法。検索ではなく選択になる。
グラフィックメニュー
グラフィックベースのメニューで選択して閲覧する操作方法。検索ではなく選択になる。

辞書拡張ツール「電子ブック漢字インデクサ」は、日本語電子ブックタイトルの「前方一致かなインデックス」から、漢字の「表記インデックス(前方一致と後方一致)」を作成し、漢字表記による検索ができるようにする。

電子ブックプレーヤー

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DD-1[2] DD-S35

KX-EBP2

 HSS-0120使

110S-EBXA1

8cmCD

FM

CD-ROM

パーソナルコンピュータで再生

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電子ブックの
構造

ほとんど全ての電子ブックは、キャディからCD-ROMを取り出すと、パーソナルコンピュータで使用することができる。一部の電子ブックには、最初からPC用検索ソフトが付属している。もし付属していない場合でも、電子ブックの検索ソフトは市販製品だけでなく、フリーウェアも多いので用途や好みに応じて選択できる。ただし元来が専用ハードウェアを前提とした仕様のため、何らかの制限が残ることも多い。全てのファイルをディレクトリ構造を保ったままハードディスクにコピーして使用すれば、CD-ROMがなくとも使用できるようになる。

過去にはキャディからCD-ROMを取り出さずにセットできる専用ドライブ(ソニーDD-DR1、ただし検索ソフトは専用品)や、一般のコンピュータに接続しコンピュータ上の検索ソフト(専用品)から検索でき、かつ単体でも電子ブックの検索ができる電子ブックプレーヤー(ソニーDD-30DBZ)も発売されていたが、あまり普及しなかった。

出典

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  1. ^ ソニー DD-S35”. 2016年7月13日閲覧。
  2. ^ 商品のあゆみ−その他”. 2016年7月13日閲覧。

外部リンク

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