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Pin grid array

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
XC68020(モトローラ68020マイクロプロセッサのプロトタイプ)の底面にあるPin grid array

Pin grid array(ピン グリッド アレイ、PGA)はICパッケージ形式の1つである。ほぼ正方形の本体と、その底面に金属製の短い接続端子である「ピン」を格子配列で多数備える。[1]

概要

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PGADIPQFPCPU

[ 1]252.54mm0.11.27mm0.05ICPGAPGA[]

多様な形式

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Celeron 400MHzのPPGAパッケージの上面
PPGAパッケージのCeleron 400MHzの底面
FCPGAパッケージの底面(ダイは逆の面にある)

CPGA

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"Ceramic Pin Grid Array"PGA[1]"C""PGA""C"PGA1

使用例

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Socket AAthlonDuron使AMDSocket AM2Socket AM2+使AMD使CPGA

PPGA

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"Plastic pin grid array"は、PGA本体にプラスチック・モールドを用いたものである。製造コストを削減できたが、湿度に対する耐性や温度特性は低下した。[1]セラミックより熱抵抗が高いプラスチックを用いているため、発熱量の大きなICではダイと接触する位置で内部上面にアルミ製の放熱板を備えている。

使用例

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インテル社のプロセッサである"Mendocino"コアのSocket 370向けCeleronの後期モデルで使用されていた。Socket 8以前のプロセッサにも同様のフォームファクタを使用したものがあるが、公式にPPGAとは呼ばれていない。

SPGA

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"Staggered Pin Grid Array"は、ピンが千鳥配列になっているPGAを指す。[1]100mil単位と50mil単位の正方ピン配置の中間的な配置となった。正方50milを含めて千鳥配列も、従来の正方100milではピン数が増すに連れてパッケージサイズと基板上の占有面積が過大となり、ピン間隔を狭めることでそれに対応した。

使用例

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インテル社のSocket 5およびSocket 7向けプロセッサで使用されていた方式である。Socket 8向けプロセッサの半数でも一部SPGAレイアウトが使用されていた。

FCPGA

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"Flip-chip pin grid array"は、裸のインターポーザ上にフリップチップ実装したダイを樹脂封止し、周囲にピンを打ち込んだものである。フリップチップ技術の実用化によって実現した。放熱のためのヒートシンクなどを外付けする場合に、他の形式ではパッケージ上面がその固定圧力に対抗し支持できたが、FCPGAでは脆弱なダイが外力を直接受ける恐れが高く、バンパーを設けるなどの工夫が求められる。

使用例

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インテル社の"Coppermine"コアのSocket 370向けPentium IIIおよび"Celeron"で導入された。後にSocket 478向けPentium 4およびCeleronでも使用され、現在でもインテル社のモバイル向けプロセッサで使用されている。

OPGA

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"Organic Pin Grid Array"は、ピンが挿入された有機プラスチック製のインターポーザー上にダイが実装されているものである。

使用例

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AMD社のSocket A向けAthlon XPで導入された方式である。AMDのSocket 754, Socket 939, Socket 940, Socket AM2, Socket AM2+向けプロセッサでも使用されている。

脚注

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注釈

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  1. ^ パッケージの中央内部、または中央外面には半導体のダイを収めるためや配線の引き回しを短縮するために、一般にピンは中央部を避けて配置される。

出典

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  1. ^ a b c d 半導体パッケージとは - IT用語辞典”. IT用語辞典 e-Words. 2024年2月6日閲覧。

関連項目

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