Wikipedia:スタイルマニュアル/フィクション関連
この文書はウィキペディア日本語版のガイドラインです。多くの利用者が基本的に同意しており、従うことが推奨されますが、方針ではありません。必要に応じて編集することは可能ですが、大きな変更を加える場合は、先にノートページで提案してください。 |
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ウィキペディアには、フィクションに関連した主題や、フィクションの世界、フィクションに登場する事物といったものを扱う記事が多数存在します。
新しい記事が作られるときには、特筆性のガイドラインに従い、独立した信頼できる二次資料を含むことによって、その記事主題の現実世界における特筆性が確立されているべきです。特筆性が確認できるということはまた同時に、その記事主題を包括的に書くために、また事実性に関する正確性を確保するために必要な程度の充分な情報源が存在するということでもあります。
その主題がウィキペディアの記事になるべき正当な理由があれば、次に編集者は、その主題に関するどのような事柄を記述するべきか、そしてそれらの情報の最適な提示の仕方はどのようなものであるかを考えるべきです。この二つの事柄は相補的な関係にあり、互いを切り離して解釈するべきではありません。そしてよりよい記事を書くためには、編集者はこの二つの問題に同時に取り掛かるべきです。
このページはガイドラインであり、方針ではありません。ここに書かれていることを参考にする際には、良識を持ち、また時折の例外の存在を意識しながら行ってください。しかしながらこのガイドラインに書かれている基本的な見解は、一般にフィクションに関する記事を改善するために役立つものと考えられます。
現実世界の観点に立って記述する[編集]
物語世界内の観点に立った記述の問題点[編集]
物語世界内の観点は、物語をそのフィクション世界内の登場人物の観点から記述するものです。フィクションの出来事をあたかも現実世界の出来事であるかのように扱い、現実世界の文脈や、情報源によって裏付けられた作品に対する評価・分析の存在を無視します。物語世界内の観点に立った記述の発端は、現実世界の情報を排除することによって作品世界の幻影を再創造し、維持しようと種々の努力を払うところから始まります。
多くのファンサイトやファンによって運営されるウィキサイトではこのようなアプローチを取りますが、ウィキペディアの記事ではこのような方法を採用するべきではありません。物語世界内の観点は不正確で誤解を招きやすく、検証不可能な独自研究を招き入れます。何よりもウィキペディアは何ではないかということに関してのコミュニティの合意を無視しています。
物語世界内の観点に関する問題点には以下のようなものが含まれます。
- フィクション作品の、創作努力の成果としての側面をほぼあるいは完全に無視すること。
- 歴史的事実であるかのように書かれたあらすじ。
- 伝記のような形式で書かれた登場人物の記事あるいは節。
- 実在の地理のように書かれた架空の土地の解説。
- あらすじやその要素を論じるのに過去形を使うこと。
- 物語に矛盾があったり連続性が絶たれている箇所があるときに、それをそのまま伝えずに想像で補ってしまうこと。
- メインの作品に登場する事物と、著名でないスピンオフに登場する事物とを同様の詳細さで解説すること。
- ある作品に影響を受けている後発の作品を、その作品の続編であるかのように記述すること。
- ちょっとしたコメントやジョークを情報源として利用すること。
- 現実のものに使われることが想定されている情報テンプレートを架空のものに使用すること。
- 映画のスチールやスクリーンショットに、映画の一シーンとしてではなく、キャラクターの一シーンとしてのキャプションをつけること。
- フィクション作品そのもの(「第○作」「第○章」など)ではなく、物語の中の出来事や日付を参照事項にすること。
- その作品が出版された順序ではなく、物語の時系列にしたがって作品を並べ替えてしまうこと。
一次情報と二次情報[編集]
一次情報[編集]
ここで言う﹁一次情報﹂とは、フィクションの世界に関する一次資料に由来する情報、すなわち作品そのもの、あるいはその作品に関連する作品︵同じシリーズの別のエピソードなど︶に由来する情報を意味します。厳格に現実世界の観点に立って書かれた記事であっても、フィクションに関する記述は常にフィクション作品そのものを情報源として使用します。 一次資料における利用可能な情報には以下のようなものがあります。 ●登場人物の生没年月日。 ●架空の乗り物や機器の性能。 ●架空の土地や組織・団体の歴史。 ●架空の生物の素性。 ●物語の筋そのもの。二次情報[編集]
﹁二次情報﹂とは、フィクションの世界に対して外部に位置する情報のことです。二次情報は通常、創作作品やフィクション世界に関する二次資料、あるいは作者ないし製作の周辺事情に関する一次ないし二次資料から引き出されます。なお﹁公式ファンブック﹂のように、あるフィクション作品自体と商業的な提携・協力関係の元で出された出版物は、対象から十分に独立した二次資料ではありません。こうした資料は、特に作品の評価などの、中立性が問われやすい事柄に関して参照する際には慎重に取り扱ってください。しかしながら、そのような出版物はファンブックそのものに関する記事、あるいは別の関連するトピックに関する記事においては、適切な一次ないし二次資料となりうるかもしれません。 経験則として、二次情報は記事に現実世界の観点を与えるのに必要かつ役立つかぎりにおいて過不足なく使用するのが適切です。また別の経験則として、ウィキペディアの記事にするために必要な特筆性を満たすトピックなのであれば、必ず利用可能な二次情報が存在しているはずであり、望むらくはすでに記事の中に含まれているべきです。 有益な二次情報の例としては以下のようなものが挙げられます。情報に文脈を与える[編集]
物語内容の要約[編集]
記事の分割[編集]
記事が長くなると、記事の中の特定の節を一つの記事として独立させることがあります︵Wikipedia:ページの分割と統合を参照︶。このような場合には、もとの記事のなかではより簡潔な要約を残しておきます。分割された記事を元の記事に対して子記事あるいは分割記事と呼びます。フィクション作品の場合では、子記事は概して登場人物のリストや他の物語の要素のリストであり、それらの子記事はしばしば情報源を通しての現実的な観点を欠いています。特定の一人の登場人物や、作中のある一つの道具を独立した記事にすることは非常に稀なケースであるべきです。こうした場合にはその個々の事物に、元の作品とは独立した特筆性があるということが情報源によって示されねばなりません。それができない場合には元の記事に統合するか、あるいはすでに存在する別の子記事に統合するべきです。 子記事ではその作品内の特定のトピックの詳細を簡潔な仕方で提示してください。分割によって書く余地が与えられたからといって、過剰に詳細なあらすじや架空の人物の詳細な伝記を書いていいということにはなりません。他のフィクション作品の記事と同様に、フィクション作品の子記事は﹁作品世界外の観点﹂に立って記述されるべきです。そして他のウィキペディア上の記事と同様に、子記事も検証可能性を満たしていなければならず、独自研究を含んではならず、そして中立的な観点が保たれていなければなりません。エピソード一覧の分割[編集]
﹁各話のエピソード一覧﹂のようなものが長くなるようであれば、他のセクションとの分量のバランスをとるため、小説や漫画では各巻単位、ドラマやアニメでは各話単位で内容をまとめ、﹁○○のエピソード一覧﹂といった名称でスピンアウト記事を作成することを検討してください。 こうした形式で作成された一覧記事の例は以下のカテゴリなどで参照できます。 ●Category:エピソード一覧 ●en:Category:Lists of novels︵英語︶ ●en:Category:Lists of manga chapters︵英語︶ ●en:Category:Lists of anime episodes︵英語︶ ●en:Category:Lists of television series episodes︵英語︶ ●en:Category:Television episodes by series︵英語︶トリビア[編集]
トリビア的な雑多で瑣末な内容の記述は避けるべきです。こうした記述は主題の特性を理解するには役に立たず、記事の全体的なバランスを損ないます。特に箇条書きのような形式は冗長化を招きやすくなります。また分量が増えても分割して単独の記事として成立するだけの特筆性はほとんど見込めません。特筆性[編集]
Wikipedia:特筆性には、記事の主題となるものが備えているべき特筆性の条件が示されています。前述したように、経験則として、あるトピックが充分に特筆すべき事柄なのであれば、適切な二次資料が存在するはずであり、また理想的には、記事が作成されたときにすでに二次資料が含まれているべきです。
正確さとバランス[編集]
記事を中立的な観点に立って、その主題のすべての側面をそれぞれの重要度に応じてバランスよく書くということはむろん重要ですが、記事本文以外の記事の要素、すなわち情報テンプレートやそれ以外のテンプレート、画像やそのキャプションといったものについても適切なバランスを考慮してください。目標は記事主題に対して可能な限りの精度を達成することであり、このことはまた、バランスを欠いた長すぎるあらすじや物語世界内の視点によって書かれた文章を排除するべき根本的な理由でもあります。
最新の情報[編集]
最新の情報を反映させることは時には適切な編集となりますが、その場合には最新の情報を強調したり他の情報と違う扱いにすべきではありません。常にバランスを心がけた記述を行ってください。またその記述が検証可能性を満たしているか、瑣末な内容でないかを確認してください。もし最新の情報が過去の前提を覆すような内容であった場合、単に記述を付け足すのではなく文面の全面改稿も検討してください。
結論[編集]
インフォボックス[編集]
通常、記事の右上部分に置かれているインフォボックスのテンプレートはテーブル形式で記事の主題についての重要なデータを提供します。フィクション関連の主題において役立つデータとしては、作者や役者、初出などがあり、あるいは作品の世界観を理解するのに(説明するのに)「不可欠」な情報があると思われます。不可欠だとみなされるものは作品の性質によって異なります。ストーリーやシリーズの異なったポイントによって事実が変化する項目は、世界の情報として記載することは全く適していないかもしれません。対照的に、複数の勢力がいる作品での登場人物のインフォボックスでは、その人物の所属勢力を示すデータは有用かもしれません。
そして、上記でも述べられたように、インフォボックスでも同じくトリビア的な詳細は避けられるべきです。実在する俳優のインフォボックスには「好きな食べ物」や「趣味」といった項目は存在しません。こうした詳細は主題の重要な特性を理解する際には読者の助けにはなりません。また同様に、設定やバックストーリーとして存在する細かい情報を掘り下げたようなデータを載せることは避けるべきです。このような理由で、現実に存在するものへの使用が意図されたインフォボックスを、よく似たフィクションの主題に適用すべきではありません。例えば実在する企業の記述に重要なデータはフィクションの企業にとっては脱線したものであるかもしれません。マイクロソフトの年商は重要なデータですが、架空の企業がxxxx年にxxx億を稼いだといったデータはおそらく重要ではないでしょう。
関連項目[編集]
- プロジェクト:フィクション/過剰な内容の整理
- {{物語世界内の観点}}
- {{物語内容のみ}}