アメリカメディア企業のBuzzFeedが、ポータルサイト・Yahoo! Japanと合弁会社﹁BuzzFeed Japan﹂を設立し、今冬にBuzzFeedの日本語版サイトを立ち上げることを発表した。
BuzzFeedは、CEOであるジョナ・ペレッティさんらが創業したソーシャルニュースメディア。ユーザー数は世界中で約2億人を超え、イギリス、フランス、スペインなど各国へのグローバル展開も行っているが、現地企業と提携して外国に進出するのは今回が初となる。
同サイトでは、BuzzFeedの強みであるコンテンツ制作技術と、﹁Yahoo!ニュース﹂のノウハウやトラフィックを活かし、独自報道やインターネットカルチャー、ライフスタイル記事を中心に、英語版の翻訳記事のほか、日本ユーザーに向けた独自コンテンツなどを﹁Yahoo!ニュース﹂にも配信するという。
BuzzFeedのコンテンツ力とYahoo! Japanの知見やトラフィックを活かしたメディアへ
画像は「CNNBuzzfeed」のスクリーンショット
BuzzFeedは、ハフィントンポストの共同創業者であるジョナ・ペレッティさんが中心となり、2006年に設立されたアメリカ発のWebメディア企業。
GIFを使ったリスト︵まとめ︶記事や政治・ビジネスに関するニュースの発信、調査報道などをはじめとした長文コンテンツ、さらにはアメリカの大手メディア・CNNと提携したYoutubeチャンネル﹁CNNBuzzfeed﹂や自社チャンネルでの動画・音声コンテンツの配信など、ソーシャルメディアとの親和性が高い、多様なWebコンテンツを続々と生み出している。
月間の訪問者数は2億人にも上り、﹁世界最大級のバイラル・メディア﹂として欧州、ブラジル、インド、オーストラリアなど世界各国にも進出。FacebookやTwitterをはじめとしたSNSでの情報拡散力を活かし、他言語でのグローバル展開を積極的に行っている。
画像は「BuzzFeed Press Blog」のスクリーンショット
日本進出にあたっては、懸念された点もいくつかあった。まず、BuzzFeedは﹁ネイティブ広告﹂と呼ばれる記事広告や動画広告によって高い収益をあげている。しかし、日本はアメリカほどSNSでの情報拡散力があるとは言えず、ネイティブ広告による収入確保が不安視されていたという。
このため同社では、日本最大級のニュースサイトであるYahoo! Japanと提携することで、より多くのユーザーを誘導していく狙いがあるとみられる。Yahoo Japan側も、BuzzFeedの豊富なコンテンツ力を利用できるほか、広告事業の収益モデルを活用していくようだ。
BuzzFeedと同規模の、既存マスメディアを凌ぐような勢いと読者を持つWebメディアが未だに誕生していない日本において、﹁BuzzFeed Japan﹂はその先駆けとなるのだろうか。注目していきたいところだ。
執筆者‥きくちみずほ
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