ゲルマニア(英語表記)Germania

デジタル大辞泉 「ゲルマニア」の意味・読み・例文・類語

ゲルマニア(〈ラテン〉Germania)

 
西
46100  

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精選版 日本国語大辞典 「ゲルマニア」の意味・読み・例文・類語

ゲルマニア

  1. ( [ラテン語] Germania )
  2. [ 一 ] ライン川より東、ドナウ川より北の地域に対してローマ人が与えた地名。
  3. [ 二 ] 古代ローマの歴史家タキトゥス(五五頃‐一二〇頃)の著作。九八年頃完成。ゲルマン諸民族の素朴で力強い風俗、習慣について記したもので、四六章から成り、古代ドイツに関する貴重な史料書とされている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゲルマニア」の意味・わかりやすい解説

ゲルマニア
Germania


58-51︿Germani cisrhenani161Agri Decumates︿Germania Superior︿Germania Inferior89193-235調3

 3︿Maxima Sequanorum︿Germania Prima︿Germania Secunda︿345西34305



ゲルマニア
De origine et situ Germanorum


10098西6

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルマニア」の意味・わかりやすい解説

ゲルマニア
げるまにあ
Germania

ローマの政治家・歴史家タキトゥスの作品。原題は『ゲルマニア人の起源と風俗について』。ライン川とドナウ川の北のゲルマン人諸部族についての記述で、ゲルマニアに関する最初のまとまった作品。西暦98年に公刊された。新興のゲルマン人と退廃しつつあるローマ人とを対比して、北方の脅威に対するローマ人の注意を喚起し、道徳的な警鐘を鳴らしたものと解されるが、純粋な知的関心から生まれたものとみる説もある。全編46章。それぞれが短い叙述からなる。二つの部分に分けられ、第1部(第1~27章)は、ゲルマン人一般の習俗、祭祀(さいし)、冠婚などについての概観であり、第2部(第28~46章)は、ゲルマン人諸部族の個々についての記述となっている。原始ゲルマン人の歴史、ドイツ古代史の第一等の史料として、カエサルの『ガリア戦記』と並称される。

[長谷川博隆]

『泉井久之助訳註『ゲルマーニア』(岩波文庫)』

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百科事典マイペディア 「ゲルマニア」の意味・わかりやすい解説

ゲルマニア

 
De origine et situ Germanorum西退  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルマニア」の意味・わかりやすい解説

ゲルマニア
Germania

ローマの歴史家タキツスの著書。 98年刊。旅行者の報告と文学的資料に基づいて書いたライン以東ドナウ以北のドイツ地誌で,ラテン語の地理的民族学的著作として現存する唯一のもの。古代の分類では歴史書とされる。前半はゲルマニアの地勢と政治,宗教,風俗習慣などを,後半はスウェーデンとフィンランドまで含めたゲルマニアに住む諸民族それぞれの地理的条件や特性を描く。彼らの道徳性とローマの堕落との対照などから明らかなように,著者の意図は地理的興味よりもむしろ,すでに失われてしまった昔日のローマ人の徳性と自由が未開のゲルマニア人の間に根強く生きているのをみて,これを範としてローマ人に示すことにあった。
 


Germania

 
89 ()  () 2  

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旺文社世界史事典 三訂版 「ゲルマニア」の解説

ゲルマニア
Germania

帝政ローマ期の歴史家タキトゥスの著作
98年作。小論文ながら,『ガリア戦記』とともに古代ゲルマン人に関するまとまった民族誌で,ゲルマン史研究第一の史料。本書執筆の動機は諸説あるが,ローマ社会の奢侈 (しやし) を戒めるためという説が有力である。ゲルマニアとは,ドナウ川より北でライン川から東の地域に対してローマ人によりつけられた呼称。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ゲルマニア」の解説

『ゲルマニア』
Germania

古代ローマの史家タキトゥスゲルマン人の風俗,習慣などを記したもの。退廃しつつあるローマ人の戒めのためゲルマンの純朴さを強調しすぎた点もあるが,原始ゲルマンについての最重要の史料。

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世界大百科事典(旧版)内のゲルマニアの言及

【ゲルマン人】より


9Publius Quintilius Varus()()()4

【ゲルマン法】より

…そこでは,ドイツ法の根源はゲルマン法にあり,ドイツ法史は中世の末にいたるまでゲルマン的特徴を帯びており,〈ローマ法の継受〉によって初めてこの点に転換が生じたという基本的前提がとられている。こうした考え方が生まれたのは,16世紀のことで,15世紀に写本が発見,刊行されたタキトゥスの《ゲルマニア》を主たる材料としたゲルマン人像の形成,1530年と57年におけるゲルマン諸部族法典の最初の活字本の公刊などがなされた。それが19世紀に入り,歴史法学派の民族精神論と結びついてゲルマニストの根本見解となったのである。…

【氏族制度】より

…イギリス政府はその統治の目的を達するため,これら高地スコットランドのクランの組織を破壊しなければならなかった。 ゲルマン人についても,カエサルはその《ガリア戦記》の中で,その当時スエウィ族が,〈氏族および親族ごとに〉定住したと述べており,その後1世紀半をへだてたタキトゥスの《ゲルマニア》には,ゲルマン人の戦闘隊形が,〈家族および近親別に一団を結んで〉編成されたという文字がある。これらの記録を,古代ゲルマン人の共同体や,民主的な合議制に関する他の記事とあわせて考察するならば,彼らが,本来,なんらかの氏族的な単位集団を基礎に,その部族組織を形成していたことをうかがいうるであろう。…

【タキトゥス】より


(98)G.J.98(127)(2846)

【フランク王国】より




 12()()

【ラテン文学】より


9Velleius PaterculusCurtius Rufus

※「ゲルマニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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