階級(読み)カイキュウ(英語表記)class 英語

デジタル大辞泉 「階級」の意味・読み・例文・類語

かい‐きゅう〔‐キフ〕【階級】

 
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精選版 日本国語大辞典 「階級」の意味・読み・例文・類語

かい‐きゅう‥キフ【階級】

 

(一)   (  )
(二) 
(一)[]殿(1477)
(二)[]
(三) 
(一)[](123153)
(四) 
(一)[](766)
(二)[]
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(一)[](1893︿)
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(一)[]()(1931︿)
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「階級」の意味・わかりやすい解説

階級
かいきゅう
class 英語
Klasse ドイツ語

一般に、全体社会の内部において社会的資源または勢力(富力、権力、威信など)の不平等な配分に基づいて成立する上下・優劣、貧富、支配・被支配、搾取・被搾取などといった非対称的な関係にたち、ほぼ同等の勢力量を享有する人々の集群をいう。広い意味での階級は、閉鎖的階級としてのカースト(種姓)や身分と、開放的階級としての近代階級を含む上位概念であるが、狭い意味での階級は近代階級をさすことが多い。その点で、階級は階層一般とは区別される。階級は社会秩序の根底にあって社会構造の性格を決め、社会変動を規定する重要な要因であるばかりか、人間生活の全局面に浸透して人々の生活機会を決定し、人間の幸・不幸、人生の喜怒哀楽を左右し、思想、感情、行動に烙印(らくいん)を押し付ける働きをする。

[濱嶋 朗]

階級概念の形成


調

 18A

 

マルクス主義の階級理論


A

 

 ()1919

 Klasse an sichKlasse für sich

 

 

現代社会と階級

現代の先進諸国では、テクノロジーの飛躍的発展と生産機構の巨大化に伴い、とりわけ資本の集積・集中を前にして、自由な企業家の影は薄れ、資本家のかわりに経営者が登場する一方、旧中間層を構成する農・工・商業自営層のうちとくに農民層が分解し、自営層内部の家族従業者の賃労働力化と相まって、雇用勤労者が急激に増大した。しかし、雇用勤労者の増大は、そのまま生産的労働者の増大をもたらしたのではなく、専門技術、事務、販売、サービス関係従事者(いわゆる新中間層=ホワイトカラー)の肥大化を引き起こす形をとった。

 労資二大階級への両極分解というマルクスの予想は、農民層など自営層(家族従業者も含む)の一部についてはともかく、生産的労働者数の伸び率の鈍化(相対的減少)、新中間層の肥大化によって裏切られたと評価する向きもある。たとえば、M・ウェーバーは、官僚制化の進展に伴う職員層の増大を盾に一義的なプロレタリア化への傾向を否定しているほどである。もちろん、これは極論であって、ブルーカラーとホワイトカラーを区別する労働の質や待遇の差はほとんどなくなり、実質上ホワイトカラーの下層部分のプロレタリア化が進行していると解釈することもできる。他方、マルクスの予想した窮乏化(貧困化)についても、生産力の飛躍的上昇に支えられた高度経済成長のもとで、耐久消費財の普及や生活水準の向上と相まって生活様式や生活態度が平準化したため、古典的な貧困は姿を消してしまったかのようにみえる。もちろん、耐久消費財の保有と貧困とが共存するところに現代的貧困の特色があるから、高度大衆消費に支えられた豊かな社会において窮乏化が一掃されてしまったとみるのは速断である。なお、高成長から低成長へと転換した今日の経済動向は、景気の後退や失業、倒産、生活苦の増大といった悲観材料に事欠かないが、国家の経済政策の整備拡充によって、恐慌の周期的反復による資本主義経済の自動的崩壊という危険は、未然に防止されている。したがって、恐慌による大破局も期待できそうにない。

 こうして、見かけのうえでの新中間層の肥大化(脱プロレタリア化)、平準化と富裕化は、広範な雇用勤労者の間に小市民的な生活態度をはびこらせ、私生活の快適化を求める傾向は、体制変革ではなく体制順応の方向に働き、また階級対立の制度化という新しい労資関係のあり方は、階級闘争や階級意識の激化よりも、階級平和と体制内編入を強化するのに役だつ。このような現代社会における階級および階級意識、階級闘争の動向をどう解釈するかが、階級論の重要な課題となっている。

[濱嶋 朗]

社会主義社会における階級・階層問題


()

 Mноменклатура

 

M195729195841960R19642325196567A1977M1980MS1981

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改訂新版 世界大百科事典 「階級」の意味・わかりやすい解説

階級 (かいきゅう)
social class


23

西

 Catéchisme politique des industriels1823-24332

︿︿1848

20︿︿E.LedererJ.Marschak1926C.W.1951F.CronerSoziologie des Angestellten1962

M.191921-2212123︿︿social class︿social stratification

︿191419462602
  


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「階級」の意味・わかりやすい解説

階級
かいきゅう
class

広義には社会を構成する各社会階層を示すが,近代的階級として厳密には近代資本主義社会に特有な階級を意味することが多い。いわゆる社会階級を歴史的に考察してみると,第1にカーストつまり氏姓階級でインドでみられるもの,第2は古代ローマ共和制時代の社会階級や日本の大化改新によって出てきたような位階階級 rank,第3はヨーロッパで 12世紀頃からフランス革命時代にわたって存在した貴族,僧侶,庶民,農民の等族階級 estate,第4は狭義の階級つまり近代階級 modern classである。狭義の意味での階級の意識や概念が明確化されたのは近代になって,生産が高まり,社会構成に対する経済の影響が自覚されるようになってからである。階級に対する有力な見解であり,階級概念が重要な位置を占めるマルクス主義の場合,階級は生産手段の所有,非所有,ならびに当該歴史社会における生産関係上の地位に基づく敵対的な「集団」と考えられ,資本主義社会では大きく分けると資本家階級と労働者階級という二大階級に区分され,その闘争が歴史形成の動因となると説明される。この見解に対して,現代「産業社会」における所有と統制の分離,官僚制化による「新中間層」の肥大化,階級闘争の制度化などの現象を論拠に R.ダーレンドルフなどの社会学者からの批判がある。他方,アメリカを中心とする社会学では階級の概念は階層の概念に接近し,階級は当該社会における威信序列や社会的地位の上下区分として考えられ,その区分の基準として職業,収入,学歴,家柄,財産,生活様式などが採用される。すなわちマルクス主義の経済的基準に対して身分,威信,社会的地位などの要因が重視され,階級区分も敵対性より連続性に注意が向けられる。

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百科事典マイペディア 「階級」の意味・わかりやすい解説

階級【かいきゅう】

広義には,カースト,位階,身分などによる社会階層を含むが,狭義にはマルクス主義の立場から,生産手段の所有・非所有(生産関係)によって区別される対立的な社会集団をさす。階級は原始共産制社会にはみられないが,生産手段の私有をもとにした社会では,奴隷制社会における奴隷所有者と奴隷,封建社会における封建領主と農奴,資本主義社会における資本家と労働者という基本的階級と,自由農民,手工業者などの副次的階級が存在する。→階級闘争
→関連項目階層身分

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普及版 字通 「階級」の読み・字形・画数・意味

【階級】かいきゆう(きふ)

 
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「階級」の解説

階級(かいきゅう)
class


西

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世界大百科事典(旧版)内の階級の言及

【クラシス】より


()︿class()Klasse() 

【私有財産制】より

…私有財産がある程度明瞭に発生してくるのは農耕社会においてである。ここでは生産手段たる農耕地が分割所有され,階級関係を発生させる。この階級関係は土地を媒介とし,家父長的な土地所有者と奴隷の関係であるが,この階級関係が原始的共同体を崩壊せしめて古代的階級社会を形成することになる。…

※「階級」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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