ソーマデーバ

百科事典マイペディア 「ソーマデーバ」の意味・わかりやすい解説

ソーマデーバ

 
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世界大百科事典(旧版)内のソーマデーバの言及

【インド文学】より

…5編から成る教訓的説話集《パンチャタントラ》の原本は散逸したが,数種の異本により伝えられ,6世紀以後シリア語,アラビア語等に翻訳され,《カリーラとディムナ》あるいは《ピルパイの物語》の名で広く東西諸国に広がり,世界各国の説話文学に大きな影響を与えている。10万頌から成りパイシャーチー語で書かれたというグナーディヤ作の大説話集《ブリハット・カター》も原本は失われたが,要約本が数種伝わり,ソーマデーバの《カターサリットサーガラ》は最も有名である。これらの説話集は一つの枠物語の中に多数の挿話を包含する形式をとっているが,この形式にのっとり《ベーターラパンチャビンシャティカー(屍鬼二十五話)》《シュカサプタティ(鸚鵡七十話)》など小規模な興味本位の説話集も作られた。…

【屍鬼二十五話】より

…本書においては,このベーターラが,主人公である王に謎を伴う約25の物語をし,各物語の最後で王に質問をし,王がそれに対して答えるという形式をとっている。諸伝本が残っているが,なかでも11世紀のカシミールの詩人ソーマデーバSomadevaの作品が文学的に最も優れているとされる。本書はインドの内外に伝わり,多大の影響を与えた。…

【ブリハット・カター】より

…10万頌の詩句から成り,パイシャーチーPaiśācī語という俗語で書かれたと伝えられ,バッツァ国のウダヤナ王の結婚と王子ナラバーハナダッタの冒険物語を枠物語とする説話集であったらしいが,原本は散逸して現存せず,サンスクリットで要約した改作本が数種伝わっている。改作本のうち最も有名なのはソーマデーバSomadeva(11世紀)の《カターサリットサーガラKathāsaritsāgara》で,18巻2万1388頌の美しいサンスクリットの韻文から成り,350種の興味ある物語を含んでいる。ジャイナ教徒サンガダーサガニンSaṅgadāsagaṇinの《バスデーバヒンディVasudevahiṇḍi》は,マーハーラーシュトリーというプラークリット語(俗語)で書かれ,ジャイナ教化された《ブリハット・カター》の改作本とみなされ,その原形を探るうえに大きな役割を演ずるものとして注目されている。…

※「ソーマデーバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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