説話文学(読み)セツワブンガク

デジタル大辞泉 「説話文学」の意味・読み・例文・類語

せつわ‐ぶんがく【説話文学】

 
 

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精選版 日本国語大辞典 「説話文学」の意味・読み・例文・類語

せつわ‐ぶんがく【説話文学】

 

(一)   
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「説話文学」の意味・わかりやすい解説

説話文学
せつわぶんがく


()便使


種類


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形式と特性

内容の多彩さに比べ、説話の形式は比較的千編一律で、まず時、場所、登場人物などを紹介、できごとの経緯をたどり、必要に応じて感想、批評の辞句を添えるというのが基本的な手順になっている。文末には多く「けり」が用いられ、ときには冒頭に「昔」「今は昔」の類を冠する。概して短編で、物語のような文飾や心理分析に乏しく、叙事性を特徴とする。したがって、描写は単純明快な傾向が目だち、極端な場合には、ある事実の骨子をそのまま述べた一文にすぎないものもある。古来語られてきたままを、また、他からの伝聞によるままを伝承して記し、個人による創作性に乏しいが、説話の選別、整序、意味づけなどの仕方に作者としての姿勢や志向を示す説話集もみられ、作品全体としてはそれぞれ独自なものに富む。説話文学固有の魅力は、ささやかな余白を用いて劇的な場面を映し出す手さばきの鮮やかさ、そのなかに示す人生批評の鋭さ、他のジャンルが取り上げない世界をも含めて触手を多方向に及ぼす自在さ、包容力などにあろう。

[三木紀人]

文学史的展開


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ヨーロッパ


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インド


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改訂新版 世界大百科事典 「説話文学」の意味・わかりやすい解説

説話文学 (せつわぶんがく)




 98509849861044101112

 

 


西︿︿

 西Tantrākhyāyika10西6570750西15西︿西10Kathāsaritsāgara1235021330151794

 西

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百科事典マイペディア 「説話文学」の意味・わかりやすい解説

説話文学【せつわぶんがく】

説話を素材とし文学的内容や表現を備えたもの,さらにはそれらが集成されて一作品を構成するもの,すなわち説話集のことをいう。伝説,昔話,世間話など,口頭で伝えられてきた説話が文字化されたもので,叙事的,非個性な短編が多いが,伝えてきた人々の好尚,思想等が端的に表現されている。説話文学的要素は《古事記》,《風土記》等にすでにみられるが,説話集としては《日本霊異(りょうい)記》が最も古く,以後《三宝(さんぼう)絵詞》《今昔(こんじゃく)物語集》《宇治拾遺物語》《古今著聞集(ここんちょもんじゅう)》《十訓抄(じっきんしょう)》《古事談》《宝物(ほうぶつ)集》《沙石(しゃせき)集》《神道集》《三国伝記》等がある。
→関連項目宇治大納言物語絵解き歌徳説話河原巻物言談雑談パンチャタントラ変文物語文学

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「説話文学」の意味・わかりやすい解説

説話文学
せつわぶんがく
legendary literature

神話,伝説,民話,童話などの説話のうち文学的な内容や形態をそなえたもの,あるいは説話が集成されて一作品を構成する説話集の総称。日本でいえば『風土記』や『今昔物語集』などが代表的だが,英語の legendは元来キリスト教初期の宗教的な物語,ひいては礼拝式で読まれる聖書の一部や聖者の奇跡物語を意味していた。それがのちに,歴史的な根拠はないが民間で真実と考えられて代々伝えられた物語──最初は短く単純であったが次第に長くなり,想像的な誇張された記述の物語となり,ついには歴史ということになっているが,実は伝説にすぎない物語──を意味するようになる。 13世紀に編纂された聖者伝集『黄金伝説』 Legenda aureaが有名。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「説話文学」の解説

説話文学
せつわぶんがく



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旺文社日本史事典 三訂版 「説話文学」の解説

説話文学
せつわぶんがく

文学的な形式内容をもつ説話を構成要素とする文学
記紀の神話伝説なども広義では含まれるが,説話集として集成されたのは平安初期の『日本霊異記』が最初。個人的創作意識が衰退してきた平安後期以後,鎌倉時代にかけて栄えた。仏教的・儒教的な教訓の意識が強いが,当時の民衆生活の一端を知ることができる貴重な史料。代表作に『今昔物語集』『宇治拾遺物語』『古今著聞集』『十訓抄』など。

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世界大百科事典(旧版)内の説話文学の言及

【ブラーフマナ】より

…全般的に祭式を万能とする態度に貫かれ,その結果祭式の実行者である祭官階級バラモンの地位の絶対性を強調するにいたったことが注目される。また祭式の起源や由来を説明するにあたって,数々の物語や伝説を挿入しており,古代インドの説話文学研究,および説話文学の比較研究にとって,貴重な資料となっている。思想的には,多神教の中で唯一の絶対者を模索しはじめた《リグ・ベーダ》以来の潮流を継承し,プラジャーパティPrajāpati(造物主)を創造神,最高神として立てるにいたり,宇宙創造の神話にも定型をつくり出した。…

※「説話文学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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