ボバリー夫人(読み)ボバリーフジン(英語表記)Madame Bovary

デジタル大辞泉 「ボバリー夫人」の意味・読み・例文・類語

ボバリーふじん【ボバリー夫人】

 
︿Madame Bovary1857調  

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精選版 日本国語大辞典 「ボバリー夫人」の意味・読み・例文・類語

ボバリーふじん【ボバリー夫人】

 

(一)( [] Madame Bovary ) 
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボバリー夫人」の意味・わかりやすい解説

ボバリー夫人
ぼばりーふじん
Madame Bovary


18575()退()18571()

 

 281966

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改訂新版 世界大百科事典 「ボバリー夫人」の意味・わかりやすい解説

ボバリー夫人 (ボバリーふじん)
Madame Bovary

フランスの小説家フローベールの長編小説。副題は〈田舎風俗〉。1856年《パリ評論》誌に連載発表され,風俗壊乱・宗教冒瀆のかどで起訴されるが無罪判決を受け,57年,単行本出版。凡庸な田舎医者シャルル・ボバリーと結婚した女主人公エンマは,結婚生活の現実に幻滅,少女時代から抱きつづけたロマンティックな幻影を追い求めて2人の男とつぎつぎに関係を結ぶが,その過程で借財を重ね,情人たちにも裏切られ,夢想の完全な崩壊を前にして自殺する。薬剤師オメーをはじめ,エンマの周辺にあらわれるさまざまな人物像の活写のみならず,単なる背景を用意するにとどまらない自然や物の精緻な描写が作品の特色のひとつ。フローベールが初めて世に問い,成功をおさめた代表傑作であると同時に,近代小説史上の記念碑的な作品で,後代の小説に甚大な影響を与え,今日でもなお多様な再解釈を促す力をもちつづけている。
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百科事典マイペディア 「ボバリー夫人」の意味・わかりやすい解説

ボバリー夫人【ボバリーふじん】

フローベールの小説。《Madame Bovary》。1857年刊。田舎医者ボバリーの妻エンマは平凡で退屈な生活から抜け出そうと愚かな恋に走り,借金をかさね,ついに自殺に追い込まれる。作中人物の考えが地の文として書かれる自由間接話法,作者の介入が排除された非主観性を通じて,実際にあった事件が写実主義的手法で描かれている。ヌーボー・ロマンの作家たちによって再評価された,小説形式の革新者フローベールの代表作。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボバリー夫人」の意味・わかりやすい解説

ボバリー夫人
ボバリーふじん
Madame Bovary

フランスの小説家ギュスターブ・フローベールの小説。 1856年『パリ評論』に発表,翌年刊。実直で平凡な田舎医者の妻エンマ・ボバリーが主人公。実際に起った姦通事件を素材にし,人物や事物の描写においては作者の主観をできるだけ排除し,文体も簡潔で,高い完成度を示し,フランス写実主義小説の古典とされている。発表当時,風俗壊乱と宗教冒涜との非難を受け起訴されたが,無罪となった。

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世界大百科事典(旧版)内のボバリー夫人の言及

【写実主義】より


(185657)(1857)

【心理小説】より


(191327)︿(1957)(1857) 

※「ボバリー夫人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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