マカーム(英語表記)maqām[アラビア]
makam[トルコ]

デジタル大辞泉 「マカーム」の意味・読み・例文・類語

マカーム(〈アラビア〉maqām/〈トルコ〉makam)

 
 

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改訂新版 世界大百科事典 「マカーム」の意味・わかりやすい解説

マカーム
maqām[アラビア]
makam[トルコ]


dastgah使︿︿︿

 131413使

 12使34taqsīmlayālī︿Rāst

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マカーム」の意味・わかりやすい解説

マカーム
まかーむ
maqām アラビア語

アラブ諸国やトルコの古典音楽で用いられている旋法。原義は「場所」で、複数形はマカーマートmaqāmāt。マカームに関する理論化は、撥弦(はつげん)楽器ウードの指板を利用して早くも8世紀ごろから試みられてきた。今日では、個別名をもつ各マカームは、半音より狭い微分音や中立音程からなる音階と、それを構成するテトラコード(4度音程枠)やペンタコード(五度音程枠)の連結の仕方、音域、旋律型、そして主音といったさまざまの要素によって性格づけられており、とくに音程構造と主音がその分類基準とされることが多い。マカームの総数は100以上ともいわれるが、各地域でよく用いられるのはそのうち20~30種ほどである。また同じ名称のマカームでも、その性格や用いられ方は地域ごとに異なるのが普通である。アラブやトルコの古典音楽はしばしば多楽章からなる組曲形式をとるが、演奏に際して始めに選ばれたマカームは全楽章を通して変えられることはなく、一貫して特定の情緒的雰囲気を醸し出しつつ、即興演奏のための基盤を与える。

 なお、イランではマカームとはよばず、一般にダストガーおよびアーバーズという。

[山田陽一]

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百科事典マイペディア 「マカーム」の意味・わかりやすい解説

マカーム

アラブ諸国,トルコおよびその影響圏の古典音楽の用語。音階ないし旋法,旋律型,音楽様式を指す。音階ないし旋法としてのマカームは,西アジアに独特の,半音以下の微小音程ないし中立音程を音階音として含む7音音階で,その種類は膨大な数にのぼるが,今日実用されるマカームの数はトルコやエジプトで30種前後,マグレブでは理論上24,イランでは12とされている。
→関連項目アーバーズタクシームタンブールファスルブズキ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカーム」の意味・わかりやすい解説

マカーム
maqām

アラブ,トルコおよびその影響圏における古典音楽の用語。音階と旋法を意味したり,また一定のマカームに特有な旋律型を意味したり,さらにマカームの体系に基づいた音楽の様式そのものをさす場合などがある。音階としてのマカームは,半音より小さい音程を含むテトラコードないしペンタコードの組合せにより,その種類は膨大な数に及ぶが,基本的で実用されるものは,マグレブでは 24~26,エジプトで 25~32,トルコでは約 30となっている。往時には各マカームの性格にエトスが結びつけられ,その演奏されるべき時刻も指定されていた。なお現代イランではマカームに相当する旋法体系をダストガと呼ぶ。

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世界大百科事典(旧版)内のマカームの言及

【カーヌーン】より


沿41調調

※「マカーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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